6月22日

まとめて展覧会・・・
 

先週観た展覧会のなかからオススメを抜粋

■ ヘイワード・ギャラリーが
リニューアル・オープン
改築のために休館していたヘイワード・ギャラリー(Hayward Gallery)が、先週末に再オープン。待望のリニューアル展は、ジム・ランビージェラティン、ウゴ・ロンディノーネら36名の現代作家によるインテリアデザイン展「The New Decor」と、ブラジルを代表する美術家エルネスト・ネト(Ernest Neto)の個展の二本立て。前者は、使えないけれどウィット溢れるベッドや椅子が並んだ、『不思議の国のアリス』にでも出てきそうな家具屋のような感じ。後者は、カラフルなストッキング風のヴェールに包まれたアスレチック場のような感じ。体感度がバツグン。バルコニーにプールが出現したり、会場内は子供連れのファミリーでいっぱい。プールは予約が必要だとか。9月5日まで。詳しくはHaywardのサイトで。

 
Ernest Neto
Installation view
Hayward Galery
Balcony

■V&Aで、リアルサイズの建築展スタート
サウス・ケンジントン
V&Aでは、常設展示のなかに実物大の建築物を忍ばせたユニークな展示「1:1 Architects Build Small Spaces」がスタート。東京の藤森照信建築設計事務所を筆頭に、ムンバイのスタジオ・ムンバイ、アラバマのルーラル・スタジオなど、世界の建築事務所8社が参加し、小屋風のこぢんまりしたものから3階建ての雑居ビル風のものまで、様々な「建物物」を設置。

ごく一般的なドローイングや模型を見せるドライな建築展と違って実物。しかも、外から眺めるだけでなく、中に入って実際に空間を体験できてしまうのが魅力。ダビデ像の横に大理石の要塞風の建物があったり、中世の螺旋階段と一緒に高床式住居があったりと、博物館の他の展示物との組み合わせも絶妙(写真右、これが藤森照信建築設計事務所の展示物、ちなみに室内は、イグルーと茶室を足して2で割ったような不思議空間)。7月中旬から始まるサーペンタイン・パビリオンと組み合わせて体験すると、面白みが増倍しそうな感じ。8月30日まで。詳しくはV&Aのサイトで。

 
Terunobu Fujimori
Beetle's House, V&A, Room 64B

■ マイク・ネルソン@テート・ブリテン
久々にテート・ブリテン(Tate Britain)で常設展を鑑賞。これはRoom28で展示されていたマイク・ネルソン(Mike Nelson)のインスタレーション「The Coral Reef」。白いドアをくぐると、12室もの小部屋が迷路のように続いていて、まるでカフカの世界のよう。ほこりやゴミがいい具合に残された部屋は、もぬけの殻になったテロリストのアジトのようで、この作品がつくられた翌年に起きたニューヨーク同時多発テロをどことなく予感させる。2001年のターナー賞ノミネートにつながった名作。来年のヴェネツイア・ビエンナーレでの晴れ舞台の前に見ておくのをオススメします。常時展示。詳しくはTateのサイトで。

 
Mike Nelson: The Coral Reef, Tate Britain, Room 28

■ 最後に、説明は割愛しますが、ガゴージアン(ブリタニア・ストリート店)ピカソ展バービカン「The Surreal House」展もオススメ。前者の展示は、画廊のものとは思えぬ質とスケールで、コマーシャルギャラリーの役割を考えさせられる展示。ダリからサラ・ルーカスまでモダン・コンテンポラリーをミックスし、それをホーンテッドハウス風に見せている後者の展示は、キュレーターの頭脳と創造性の見せ場。通泣かせの質の高い展示。詳しくは GagosianBarbicanのサイトで。(トコ)

 

 

6月10日

ホームレスによる絵画、富裕層によるパーティー

 

16歳から25歳の若い世代のホームレスの人たちが描いた自画像が、この夏にロンドン市内数箇所で展示される。

制作のためのワークショップ5回が美大セントラル・セント・マーティンズで催されたこのイベントは、トラファルガー広場にある国立美術館のナショナル・ナショナルギャラリーが指揮をとる、近年類をみない社会性の高い企画。

同美術館からの依頼のもと、美術家のマーク・ウッドヘッド(Marc Wodhead)がワークショップを担当し、ホームレスの人々と一緒にナショナル・ギャラリーを訪問。セザンヌやホルバインら巨匠による絵画を紹介し、それらに使われた様々なテクニックをワークショップのなかで指導。

そうやって描かれた自画像が、具象絵画支援団体「Go Figurative」の協力のもと、7月23日から27日までロンドン北部ハムステッドの「St Stephen's」で展示される。

本日発行の同ギャラリーのプレスリリースによると、プロジェクトの目的は、社会の隅に追いやられた若者に手を差し伸べること。クリエイティブな活動を通じて、若者たちの好奇心を掻き立て、コミュニケーション能力を高め、自尊心と自信を回復させることが狙いだという。

ナショナル・ギャラリーでは何年も前から、自館の所蔵品にインスパイアされて描かれた現代絵画を見せる機会を定期的に設けてきたが、今年はいつになく社会性の高い企画。まるで市場の酔いから覚めたようなシラフさ。ちなみに展示のタイトルは「Real Art Show」になるとか。

一方、ピカデリーのロイヤル・アカデミーでは昨晩、毎年恒例のサマー・エキシビション(Summer Exhibition)の幕開けを祝い、ロンドンのアート業界で最も華やかといわれるパーティーが開催された。

このパーティーは、私営であるアカデミーの展示プログラムと学校運営資金の調達を兼ねたファンドレイジングの場になっているが、今年はそのパーティーのチェアマンを、テレビ出演などで多忙を極める美術家のトレイシー・エミン(Tracey Emin)とアクセサリー・デザイナーのアニヤ・ハインドマーチ(Anya Hindmarch)が担当。アニッシュ・カプーア、グレイソン・ペリー、ロン・アラド、マーク・クイン、マイケル・ランディなど錚々たる美術家やデザイナーが補佐役を買って出たようだ。

foglessに送られてきた情報によると、今年のパーティー券の値段は一枚225ポンド。寄付金つきの普通の券が300ポンド、特別券が2900ポンド。昨晩6時半ごろにアカデミーの前を通ったところ、門の前には正装した男女がずらりと行列。The Art Newspaperの記事によると、人気TVプレゼンターやトップモデルが来場し、パーティーは大成功だったようだ。

ホームレスを支援するナショナル・ギャラリーと、運営のために富裕層をもてなすロイヤル・アカデミー。国立といえども民間からの資金援助が欠かせない今日、前者の運営にも後者の富裕層からのサポートが欠かせないだろうが、国立と私立による視点の違いがくっきりと見えるこの二つのイベント。ロンドン・アート界のベクトルの広さがうかがえて面白いです(トコ)。

The National Gallery, London
Royal Academy of Arts
The Art Newspaper

 

 

6月9日

ゴームリーの「3Dドローイング」でSF気分

 

2400人が参加した去年のトラファルガー広場でのパフォーマンス《One and Other》から1年。あの展示で一躍、国民的人気を得たアントニー・ゴームリー(Antony Gormley)の個展が、ホワイト・キューブメイソンズ・ヤード店で開始。そのハイライトが、地下の展示室に設置された、この青光りするインスタレーション《Breathing Room III》。 < 続きを読む >

 

 

6月5日

タシタ・ディーンがとらえたマース・カニンガム

  昨年7月に永眠した20世紀を代表するダンサー/振付師、マース・カニンガム。モダンダンスの歴史に名を残すこの巨匠と、彼の舞踏団の練習風景を収録したタシタ・ディーン(Tacita Dean)の映像《Craneway Event》が、ウェストエンドのフリス・ストリート・ギャラリーで公開中。カニンガム最後の映像コラボレーション作として話題を集めている。 < 続きを読む >

 

 

6月5日

更新情報

 

サイトマップを更新しました。
ギャラリー・インデックスのEast End編West End編美術館/大型ギャラリー編を更新しました。
その他のギャラリー・インデックスは現在工事中です。

 

6月3日

「のぞき」でつづる写真史!? @ Tate Modern

 

隠しカメラ、改造カメラ、監視カメラ、赤外線フィルムなど「のぞき」のテクニックがさまざま。あの手この手で、他人のプライベートライフに侵入しようとするフォトグラファーの盗視欲を吟味する「Exposed: Voyeurism,Surveilance &the Camera」が、テートモダンで始まった。 < 続きを読む >

 
Georges Dudognon
Greta Garbo in the Club St. Germain ca. 1950s
(c) Estate of Georges Dudognon

 

  
 
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まとめて展覧会・・・
*ヘイワード・ギャラリー
*V&A
*マイク・ネルソン@ Tate
*その他
(6.22)

ホームレスによる絵画、富裕層によるパーティー (6.10)

ゴームリーの「3Dドローイング」でSF気分
(6.9)

タシタ・ディーンがとらえたマース・カニンガム
(6.5)

更新情報 (6.5)

「のぞき」でつづる写真史!? @ Tate Modern (6.3)