9月27日

今週のログ&ニュース

 

帰国して2週間が経ち、生活のリズムがやっと正常化。取材や鑑賞も、少しずつスタート。

■ 芹沢高志トークショー
10月1日、Japan Foundation
国際交流基金の竹川さんと久々にメール交換。10月1日に同基金ロンドンオフィスで、アサヒアートフェスティバルの事務局長、芹沢 高志さんのトークショーがあるとの情報をキャッチ。テーマは日本の「最新」現代アート事情。ここ数年、従来の美術館主導型に比べて地域コミュニティー主導型が目立つようになった日本の大型アート・プロジェクトの実体を、横浜トリエンナーレ、別府現代芸術フェスティバルなどの企画に携わってきた氏の様々な経験からお話いただけるようだ。ロンドンで日本のアート事情について話を聞ける珍しい機会。興味のある方はお見逃しなく。6時半開始。詳しくはこちらで。

 
川俣正
「不在の競馬場」インスタレーション風景
国際現代美術展「デメーテル」(2002)
撮影:萩原美寛

 

■ Parrworld 、10月16日からBalticにて開催
ブリストルのマーティン・パー宅を、取材で再び訪問。蔵書数約8000点という書庫のなかで2時間写真集に埋もれながら、ベルギー、ドイツ、フランスと巡回してきた『Parrworld』展が、いよいよ来月16日から、ニューカースルBALTIC Centre for Contemporay Artで始まると聞く。豪華カタログが去年から出回っているこの展示は、写真家であるとともに写真集や小物のコレクターでもあるパーの関心事を徹底的に紹介する展示。ゆえに展示構成は、彼の作品とコレクションの二本立て。会場はロンドンから離れているが、英国の美術館でのパーの久々の個展。遠出する価値は十分ありそう。詳しくはこちらで。

 
Martin Parr:
Parrworld [BOX SET] (Hardcover)
Aperture社から2008年に刊行されたパーのお宝(ポストカードと小物)をまとめたカタログ。

 

■ 大英博物館(1) 国宝上陸
The Power of Dogu
雑誌社からの依頼で、この種の展示では過去最大と評判の土偶展を見に、大英博物館を訪問。建物が何しろ巨大で、迷路のようでもあり、展示室を探すのに一苦労したが(なんと4階の一番奥!)、蓋を開けてみてびっくり、みごとな名品揃い。一番人気は、お色気たっぷりの国宝「縄文のビーナス」。私のお気に入りは目がゴーグルの形をした遮光器土偶。形がなんともユニーク。詳しくはこちらで。

 
Goggle-eyed dogu-
Kamegaoka, Aomori prefecture
Final Jo-mon (1000-300 BC)
Tokyo National Museum

■ 大英博物館(2) Medals of Dishonour ブラックユーモア満点
土偶展のすぐ隣で開かれていた、名誉ならぬ不名誉を讃えるメダル展。前半は大英博物館所蔵の16世紀から20世紀のメダルの展示で、何やら堅苦しくて素通りしてしまったが、チャップマン兄弟、グレイソン・ペリーら現代作家が占める後半は、この展示用に作られた新作ばかりで見ごたえたっぷり。とくに冴えていたのが、巨匠のリチャード・ハミルトンで、イラク戦争の際のドタバタ、ハットン報告書から名を取って「Hutton Award」と題したメダルを発表。その表面に刻まれていたのは、当時の首相のトニー・ブレアとその補佐官アレステア・キャンベルの顔。みごとに不名誉なメダル。デュシャンのプラグを使って作ったメダルもお見逃しなく。詳しくはこちらで。

■ 大英博物館(3) Moctezuma 盛大にスタート
大英博物館のこの秋の一番のハイライトで、館内はこの展示のバナー広告でいっぱい(土偶展が気の毒なくらい)。モクテスマ二世という、1502年から1520年までアステカ帝国を統治した皇帝の栄華を伝える展示で、トンネルを抜けて真っ白い円形空間に出る会場のデザインがとてもいい。展示品は、重そうなゴールドのネックレス、貝をあしらった美しい絵画、細かいレリーフが施された石の祭壇や棺と、豪華でバラエティー豊か。なかでも一番面白かったのが、トルコ石のモザイクを使った仮面で、一点だけ本物の頭蓋骨を使ったものがあった(頭の背面が切り落とされていて、人が被れるようになっている)。このお面が何とも異様で、思わずデミアン・ハーストのダイヤモンド髑髏を思い出してしまったが、確かあれのインスピレーションもマヤだかアステカだかの洒落頭だったはず。詳しくはこちらで。

■ Rankin Live、 ライブシュート終了
10日ほど前にライブイベントが終わってしまったが、日本に経つ直前に取材した原稿をなぜか今頃執筆。ロンドンの方はご存知かと思うが、この「Rankin Live」というイベントは、セレブお得意の写真家ランキンが一般人を対象に、1年がかりでポートレートを大量に撮っていくプロジェクト。今年初頭から始まり、取材の時点で撮り終えてたモデルの数は400人程度だったが、今日サイトをチェックしてみたら、1404人。すごい増加率。詳しくはこちらで。 (トコ)

 

 

9月18日

何度目の復活?

 

アナウンスもせずに、長いことお休みしまして、読者の方々すみません。人生の転機が思いがけず来てしまったようで、父が他界、3年間空き屋になっていた実家をたたみに横浜に帰省していました。

伊丹十三の映画のパロディのような忙しさと、日本における拠点喪失というシンドイ現実に直面したせいか、たちの悪い風邪をひき、それが長引いてアートはすっかり頭から蒸発、40日の滞在中、ギャラリーに一歩も足を踏み入れないという、私にしては珍しい滞在になりましたが(唯一の例外が東京フォト)、リバイバル盛んだった太宰治を読みまくるなど、別の方面で充実。生涯にわたる苦悩の末に作家が到達した思想・哲学を、たったの300円たらずで共有できるなんて、純文学は現代アートに比べてなんてデモクラティックなんだろうと改めて感動。

Foglessを野放しにしている間、メールを下さった方々、お返事しなくてごめんなさい。ヴェネツアの続レポートをお待ちの方々も、お許しを(ヴェネツイアもすっかりぶっ飛んでしまいまして…)。まだアンテナの感度がかなり鈍っていますので、ゆっくりと再開したいと思います。

7月に書いた原稿が、『美術手帖』『芸術新潮』『PhotoGRAPHICA』『Vogue Hommes Japan』に載っていますので、よかったらご覧になってください。内容は順に、ジェフ・クーンズ展評、サーペンタイン・パヴィリオン評、トーマス・デマンド取材記事(ベルリンまで取材しに行きました!撮影はミュージシャンの青木孝允さん)、「ART ZOO」(動物をモチーフ・素材にしたアートを集めたビジュアル企画)になります。(トコ)

 

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このページの掲載内容

ウェストエンド徘徊
*芹沢高志トークショー
*Parrworld
*The Power of Dogu
*Medals of Dishonou
*Moctezum
*Rankin Live
(9.27)

何度目の復活?
(9.18)