5月28日

ミケランジェロ・ピストレット 新聞玉大行進

 

犬も歩けばアートに当たる・・・。それも、今から40年も前にチューリッヒで公開された、名パフォーマンスに当たった!アルテ・ポーヴェラの巨匠ミケランジェロ・ピストレットとミニマリズムの大家ロバート・モリスの世界にご招待。右の写真をクリックくだされ。

 
 

5月23日

ハウザー&ワースがニューヨークに進出

 

ロンドンのピカデリーに4階建てのスペースをもつ画廊ハウザー&ワース(Hauser & Wirth)が、リーマン・ショック以降の不況にもかかわらず、ニューヨークに進出することを発表。マンハッタン東69丁目32番地に、4階建てのスペースをオープンする。

改築を経て9月にお目見えする新スペースは、戦後のアメリカを代表する画商、マーサ・ジャクソンが50〜60年代に拠点を置いていた米国美術界ゆかりの建物。現在は、ハウザー&ワースの片翼イワン・ワースが、ニューヨークのディーラーのデイヴィッド・ズワィナーと共同で運営する「Zwirner & Wirth」の展示スペースとして使われている。

 
ハウザー&ワース、
ロンドン・ピカデリー店の正面玄関。

そのニューヨーク店のオープニングを飾るのが、「ハプニング」の創始者、アラン・カプロー(Allan Kaprow)の61年の名作《YARD》。画廊内に大量のタイヤを敷き詰めたこの作品は、来場者がその上を歩き回われる参加型アートの先駆であるだけでなく、この同じ建物で初公開された記念すべき作品になる。

チューリッヒに本店を持ち、ロンドン二箇所にスペースを構えるハウザー&ワースは、ば欧州におけるガゴージアンと呼ぶに相応しい存在。ポール・マッカーシー、マーティン・クリード、ロニ・ホーンなど世界のトップアーティストを数多く抱え、質の高い展示をたくさん催してきた。

そのなかでも2006年にイーストエンドのブリック・レーンに開いた臨時スペース「Coppermill」は、ディーター・ローと展をはじめ、あのサーチ・ギャラリーに匹敵するグラマーかつバブリーな展示で、数々の話題をまいた。(残念ながら、地元の宅地計画で2007年にクローズされてしまったが・・・)

ハウザー&ワースの今回のニューヨーク進出は、ガゴージアン、ホーンチ・オブ・ヴェニソン、イヴォン・ランベールらに次ぐ、世界のトップ画廊によるグローバルなビジネス展開への参戦とみなすことができるだろう。

でも、その一方で、この春にロイヤル・アカデミーの敷地内に入ったホーンチ・オブ・ヴェニソン同様、トップ画廊における美術教育を兼ねた公的なビジネス展開の更なる例とも受け止められる。その証拠に、この《YARD》展では、ハーバード大学美術館の近現代部門のヘッドを含む職員3名がキュレーションを担当することになっている。

さて、話は前に戻って、東69丁目32番地の建物に現在入っている「Zwirner & Wirth」の今後の行方だが、 発表によるとチェルシーに拠点を移し、「Zwirner」と名をシンプルに改めて活動をするそうだ。事実上のコラボの終結かな…?詳しくはこちらで。(トコ)

余談・・・今年もヴェネツイア・ビエンナーレのヴェルニサージュに出席することになりました。いま各種イベントのリサーチでてんてこ舞いですが、フォグレスでもレポートをするつもりなのでお楽しみに!


 

5月18日

ターナー賞2009ノミネート者発表

 

しばらく日本に戻っている間に、ターナー賞のノミネート者が発表になっていました。今年の顔ぶれは、フォグレスでも御馴染みのロジャー・ヒオンズ(Roger Hiorns)を筆頭に、エンリコ・デイヴィッド(Enrico David)ルーシー・スケア(Lucy Skaer)リチャード・ライト(Richard Wright)の4名。ロンドン、グラスゴー在住がそれぞれ2名ずつと、両都市の対決といった構図になっているのが特徴。

1975年生まれ、1996年にゴールドスミス・カレッジ(BA)を卒業したロジャー・ヒオンズは、去年秋に話題になったアートエンジェル企画のインスタレーション「Seisure」と彼の画廊コルヴィ・モーラでの個展が評価されてのノミネート。まだ記憶に新しいので覚えている方も多いかと思うが、ヒオンズはあの作品で、硫酸銅の結晶という意外な素材を用いて、サウスロンドンにある集合住宅の一戸を蒼い鍾乳洞のような空間へと変貌。去年最も目立った作品だったのでノミネートは当然といえば当然。

 
Roger Hirons
アートエンジェル企画のロジャー・ヒオンズの展示「Seisure」から

1966年生まれ、1994年セントラル・セント・マーティンズ卒業のエンリコ・デイヴィッドは、前回のテート・トリエンナーレや国内巡回展「ブリティッシュ・アートショウ2006」への出品など、ここ十年ほど着実にキャリアを積み上げてきた作家のひとり。だいぶ前になるがサーチ・ギャラリーの2001年の企画展「New Labour」で公開されたキャンバスに刺繍をした作品や、2007年のICAでの個展で披露された舞台セット風のインスタレーションなど、アートとクラフトとデザインを融合した独特な作風に定評がある。

1975年生まれのルーシー・スケアは、ここ数年、英国の現代アートを牽引しているグラスゴー・スクール・オブ・アートの卒業生。前回のヴェネツイア・ビエンナーレではスコットランド館の代表を務めている。ルポルタージュ系の雑誌で見つけたイメージを発想源に、おそろしく微細なドローイングや家具のような立体をつくっている。稀に介入型の作品をつくることもあり、2003年のベックス・フューチャーズ賞にノミネートされた時には、ロンドンの中央刑事裁判所(オールドベイリー)で、蝶の蛹を成虫へと羽化させるプロジェクトをこっそりと行なっていたりする。

最後の作家リチャード・ライトもグラスゴー在住、ルーシー・スケアと同じグラスゴー・スクール・オブ・アートの出身。1960年生まれなので、50歳以下というターナー賞の資格ギリギリのところで選ばれた今年一番の年長。代表的な作品は、天井や壁など、それも部屋の目立たないところに直にさりげなく描いたパターンメイキングのようなペインティング。第55回カーネギー・インターナショナルでの展示と、エジンバラのイングルビー・ギャラリーでの個展が評価されて今回のノミネートとなったようだ。

ノミネート者4名を紹介する作品展はまだだいぶ先、10月7日からテート・ブリテンにて公開。詳しくはテートのサイトで。(トコ)

余談・・・約一ヶ月半ぶりのロンドンからの書き込み。初夏を期待して戻ってきたら、まだ冬物のジャケットを着ている人がちらほら。さすがロンドン(笑)。今回の帰国は、うちも例外にもれず、親の介護問題やら何やら心の重いタスクが山済みで、残念ながらギャラリー廻りはおあずけ。まともに見たのは、ロンドン在住の作家、澤柳英行さんのラディウム・レントゲンヴェルケでの個展くらいでしたが、これは浅草橋まで足を運んでみて正解。澤柳さんの作品は、職人わざのような細かさで穴を開けた金属板を天井から吊るした「モビール」のような作品ですが、スカルプチャーの立体としての美しさと、それが壁に落とす影のイメージとしての美しさが、効果的な照明によって表裏一体となって存在し、とても見ごたえのある展示でした。おすすめです。

 

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ミケランジェロ・ピストレット 新聞玉大行進
(5.28)

ハウザー&ワースがニューヨークに進出
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ターナー賞2009ノミネート者発表
(5.18)