9月29日

「ターナー賞」展、明日オープン!

 
 

去年の会場テート・リバプールからバトンを受け取り、明日30日からロンドンのテート・ブリテンにてターナー賞の展示が始まる。今年のノミネート者はゴシュカ・マッキューガ(Goshka Macuga)、キャシー・ウィルクス(Cathy Wilkes)ルナ・イスラム(Runa Islam)マーク・レッキー(Mark Leckey)の4名。そのうち3名が女性と、いつになくウーマンパワーの強い取り合わせ。

 
Cathy Wilkes
I Give You All My Money 2008 (detail)
Photo: toko
画像をクリックすると拡大画像が見れます。

一足先に展示を見てきたので、一言感想を言わせてもらうと、今年もここ数年の傾向にもれずドライでコンセプト重視。昔の作家の掘り起こしを得意としアーティストよりもキュレーターと名乗った方がよさそうなマッキューガ、カメラで「書く」という突飛な発想で映像というメディアを解体するイスラム、人気アニメ「シンプソンズ」のキャラなど親しみやすそうな雰囲気を持ちつつも講義という堅苦しい形をとるマーク・レッキーなど、思考回路が世に出ておらず大学や美術館どまりの作家が目立つ。

その中でかすかに異色だったのが、スーパーマーケットにあるベルトコンベヤー式のレジの台に、食べ終わった食器やマネキンなどをアレンジしたキャシー・ウィルクスの妙に危ないインスタレーション。身近なモチーフと、美術について知らなくとも楽しめる低姿勢なところに安堵を感じたが、そんな彼女の作品でさえも例外に漏れず意味は難解。モチーフの組み合わせがシュールで、読めそうでいて読めない。日本語だと思って開いてみたら中国語の新聞だったというケースに似た歯がゆさを感じた。詳しくはまた今度。2009年1月18日まで。(トコ)

 

9月26日

リバプール・レポート2: リチャード・ウィルソン

 
 

ビエンナーレのレポートの中でも軽く触れましたが、リチャード・ウィルソンの新作「Turning The Place Over」の紹介記事を載せました。写真をたくさん入れました。(トコ)

 

9月25日

スペシャル・レポート: リバプール・ビエンナーレ

 
 

先週から始まったリバプール・ビエンナーレのレポート第一弾を速攻で載せました。今回のはビエンナーレ全体の概要です。現地で今回のジョン・ムーアズ現代絵画賞を受賞したピーター・マクドナルド氏や、Staticというアーティスト集団の代表で建築家でもあるポール・サリヴァン氏(ビエンナーレにはヌードル・バーを出品、10日3日オープン)などなど、いろんな方にコメントをもらいましたので、そちらもまた近いうちにアップしたいと思います。気長に待っていてください!

リバプールは去年の「ターナー賞」展以来でしたが、さすが今年の欧州文化都市に指定されているだけあります。スカイラインにそびえていたクレーン車が消え、路上の穴も埋まり、窓が木でふさがれた幽霊屋敷も目立たなくなり、見違えるようにきれいな街になっていました。またアートスポットの方も中心部のthe Bluecoatやグリーンランド・ストリートのC.U.C(Contemporary Urban Centreなど新名所ができていて充実していました。特にBluecoatの展示がおもしろかったです。いまちょうどロンドンの画廊Houldsworthでも個展をやっているようですが、 The Royal Art Lodgeのペインティングが最高でした。

ビエンナーレについての詳しい情報は、イアン&美奈子ジャクソンさんが運営するリバプールのアート情報サイト「artinliverpool.com」がとても便利です。見事にすべて網羅されています。お二人とも今回も色々とお世話になりました!(トコ)

 

9月18日

ハースト、前代未聞の「卸売り」オークション

 
 

今週のロンドンのアートシーンは、15日と16日にサザビーズ・ロンドン支店で開かれたデミアン・ハーストのワンマンオークション「Beautiful Inside My Head Forever」の話題でもちきり。

作品223点が売りに出されたオークションの総売上げは、二日合計で推定総金額の6,500万ポンド(123億円)をはるかに上回る1億1千万ポンド(210億円)。この数字は1993年にワンマンセールで88点が売りに出された次点のピカソを10倍以上も引き離して、その部類でダントツトップ。15日の晩のセールのみで、実に7,000万ポンド(132億円)もの売上げを達している。

セールのハイライトは初日の晩に1,030万ポンド(19億5千万円)で競り落とされた《The Golden Calf》。ホルマリン作品最高値が付いたこの作品は、92年の「鮫」以来ハーストの代表作となっているホルマリン溶液に動物を浸した立体の新作。この作品では今回の競売のテーマのひとつであるゴールドが強調され、牛の角とひずめの部分が18金で模られ、ケース枠も金メッキ、さらに大理石の台座がケースの下に付くなど、ハーストの数ある同種の作品のなかでも最も豪華な一点となっている。

今回のイベントは、ワンマンオークションであるばかりか、美術家であるハースト自身が画廊の仲介なしに直接オークションハウスに新作を「卸した」、美術業界の既存の販売ルートに挑戦する試みであるとして、早くから大きな注目を集めてきた。

この前評判に、回顧展を拒んできたハーストの作品が223点も一箇所に集うという異例な出来事が相乗効果となって、今月5日から10日間に渡ってボンド・ストリートのサザビーズで開かれたの競売品の展示には、過去最高の21,000人が来場。かくいう私も例外にもれず展示を拝見させてもらったが、スポット、スピン、バタフライペインティング、ホルマリン漬け、薬品やタバコのキャビネ…とハーストの定番作品がずらりと並んだ展示は圧巻そのもので予想以上の迫力。

しかしその一方で、オークションという特殊な枠組みのせいか、合成ダイヤモンドを金メッキのキャビネットに並べたいかにも成金趣味の作品や、20センチ四方程度の無地のキャンバスの真ん中に蝶を一枚貼っただけのバタフライペインティングや、白地に青一色のスポットペインティングなど低コスト・低労力の作品、いかにもアシスタントが作ったとわかる機械的かつ量産的な側面が目立ち、大作や秀作のみを抜粋して見せる美術館や画廊の展示では見えにくい意外な一面も見受けられた。

そんな作品が飛ぶように売れたオークションの中継をリアルタイムで見て感じたことは、デミアン・ハーストという美術家のブランド化でありスター化。ハーストのサインと定番モチーフがあれば何でもよしという買い手のメッセージが聞こえてくるように感じた。ちなみに今回のオークションは一回のみの特別イベント。今後はまた画廊を通じて作品を売っていくようだ。

最後に余談になるが、このオークションの5冊綴りケース入りのカタログが綺麗な写真たっぷりで充実しているので、ファンの方にはオススメです。ちなみに読むところはほとんどありません。(トコ)

Sotheby'sのサイト

 

9月12日

レビュー掲載

 
 

9月の声を聞き、ロンドンのアート業界もやっと活気を帯びてきました。さて、秋のレビュー第一弾は、新進気鋭の若手、ロジャー・ヒオンズの鍾乳洞のようなインスタレーションから。会場は市内南東の住宅街の中と少し不便ですが、眠気が吹き飛ぶような体感度満点の展示です。

・・・

またもや久々の更新。先週からアンソニー・レイノルズ・ギャラリーで始まった土屋信子さんの個展のオープニングで、2年振りに会った美術家の佐藤美穂さんに「トコさん、てっきり日本に帰ってしまったのかと思いました」と痛いところを突かれてしまいましたが、実はまだロンドンにいました。でも、8年目の倦怠期でしょうか、foglessは心痛くもまたサボってしまいましたが、「アートコレクター」や「STUDIO VOICE」、「PhotoGRAPHICA」などなど、よそ様で気分よく書かせてもらっていました。 詳しくは左下のリンクを見てくださいませ。(トコ)

 

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このページの掲載内容

「ターナー賞」展明日オープン!
(9.29)

リバプール・レポート2: リチャード・ウィルソン
(9.26)

スペシャル・レポート: リバプール・ビエンナーレ2007
(9.25)

ハースト、前代未聞の「卸売り」オークション
(9.18)

レビュー掲載
*ロジャー・ヒオンズ
(9.12)