4月10日

展覧会レビュー

 

レビューを三本アップしました。
■ サウスロンドンギャラリーで始まった待望のナイジェル・クック
■ 毎年恒例、若手対象のアワード展ベックス・フューチャーズ
■ テート・トリエンナーレのライブ・パフォーマンス第一弾、リンダーのアングラなパフォーマンス。

■ 右の写真も、上のテート・トリエンナーレのライブ・イベントのひとつ。8日のに催されたバロック舞踊とジョン・ケージ風「chance music(偶然性の音楽)」を併せたパフォーマンスで、作家は今年のベックス・フューチャーズにも選ばれているパブロ・ブロンスタイン。演出が濃かったリンダーとは打って変わってミニマルなスタイルが特徴で、男性ダンサーはYシャツにネクタイを締めたサラリーマン姿、女性はカフェの店員のようなシンプルな服装で登場。

実は、今回一連のパフォーマンスの舞台に使われているこのスペースも、ブロンスタインが建築家のチェリーニ・コンデレーリと共同でデザインしたもの。舞台という実用性をもつ場にもかかわらず、トリエンナーレの出品作品のひとつとして扱われている点がユニーク(緑のラインが引かれているフロアーと、奥の木製のステージ、写真には写ってないが手前のカフェの部分)。

 

Pablo Bronstein
Plaza Minuet
Tate Britain2006
Photo: Toyoko Ito


 

4月5日

ライブあり、映像あり、パフォーマンス尽くし

 

今月のロンドンはパフォーマンスが気になる。現在テート・ブリテンで開催中の「Tate Triennial 2006」でライブ・パフォーマンスが毎週催されている一方で、ホワイトチャペルでも先週から、恒例イベントとなった「A Short History of Performance」の第四弾が始まった。

テートでは既に、その昔ポストパンクのミュージシャンとして脚光をあびたリンダー(Linder)や、現在国内巡回中のブリティッシュ・アート・ショウ6にも参加している映像作家のダリア・マーティン(Daria Martin)とエレクトロニック・ハープ奏者のジーナ・パーキンス(Zeena Parkins)の共演パフォーマンスが上演済み(アングラ宗教と前衛音楽が仲良く手を取りあった前者については、また後ほど詳しくレポートしたい)。

 
Daria Martin and Zeena Parkins
Regeneration 2006
Tate Modern

Photo: Toyoko Ito
4月2日にテート・モダンで催されたダリア・マーティンとジーナ・
パーキンスのパフォーマンスの模様。マーティンがデザインした
舞台のスクリーンに彼女の映像が流れるなか、エレクトロニック・
ハープの第一人者であるパーキンスが、水やビニールシート等
の小物を使って、ハープという楽器がもつ古典的なイメージから
掛け離れた斬新なサウンドを披露した。

テートの今後のプログラムで気になるのが、パフォーマンスを主にする若手の中でも注目を浴びている、今月の19日のラリ・チェットウィンド(Lali Chetwynd)の催し物だが、こちらは残念ながら早くも完売。02年のターナー賞候補者で、建築、デザイン、ミュージックなど幅広いエリアで活動する22日のリアム・ギリック(Liam Gillick)も押さえたいところだ。

一方、ホワイトチャペルでは、従来のパフォーマンスアートの定義とは一味違う切り口で、「作家自らが演じない」パフォーマンス映像を集めて日替わりで上映している。つまり、どういうことかというと、ここでの作家の役割はディレクター役、出演しているのは素人もしくは役者になる。要は、映画と似たようなものと思ってくれればよいが、これを敢てパフォーマンスアートの枠組みで取り上げているところがミソである。

そして、こちらのホワイトチャペルでも既に、今年1月のサンダンス・フィルム・フェスティバルに参加したアイザック・ジュリアン(Isaac Julien)や、去年のヴェネツィア・ビエンナーレのポーランド館代表のアートゥール・ジミェフスキ(Artur Zmijewski)が紹介済み(話題作「Repetition」を発表した後者についてはまた後ほど詳しく)。また、つい数日前に、英国最大の国際現代美術賞Artes Mundiを受賞したエイヤ・リーサ・アハティラ(Eija-Liisa Ahtila)の代表作「Today」も昨日上映された(Artes Mundiの展示は、5月7日までカーディフのナショナル・ミュージアムで開催中)。

さらに、ホワイトチャペルではこの後も、去年のヴェネツィアで話題をさらったフランチェスコ・ヴェツォーリ(Francesco Vezzoli)や、この道の開拓者レベッカ・ホーン(Rebecca Horn)バーバラ・クルーガー(Barbara Kruger)などが紹介される。毎晩7時からトークも予定されているので、興味のある方は予約を忘れずに(ちなみにトークは有料)。(トコ)

■「Tate Triennial 2006」のライブ・イベントのプログラムについてはこちら
■ホワイトチャペルの「A Short History of Performance - Part IV」のプログラムについてはこちら

 

4月5日

余談…

 

■ 『TITLe』(5月号)の特集「ロックで旅するイギリス。」に参加しました。私が担当したのは、「あの名盤ジャケを生んだ、異才デザイナーのアトリエ探訪」(p57〜62)というコーナー。ピンク・フロイドのアルバムカバーで有名なこの道の巨匠ストーム・トーガソンから、日本でも長いこと人気のTOMATO、レディオ・ヘッドの謎のアート・ディレクターで今回『TITLe』の為にわざわざ作品を作ってくれたスタンリー・ドンウッドまで、5人のキーパーソンに取材をさせていただきました。

去年『Esquire』用に取材したピーター・サヴィルも合わせて、妙にジャケづいているこの頃。ビジュアルアートと音楽の接点は、前々から関心のあるエリアのひとつですが、これまでどちらかというとクリスチャン・マークレーやオリバー・ペイン&ニック・レルフなどに代表される、音楽に影響を受けた現代美術家を中心に見てきました。が、今回、ジャケデザインという商業分野にありながらもファインアート的な姿勢で制作するデザイナー達に会ってみて、偏っていたバランスが少し軌道修正されたように感じました。感謝!(トコ)

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展覧会レビュー*ナイジェル・クック
*ベックス・フューチャーズ
*リンダー
(4.10)

ライブあり、映像あり、パフォーマンス尽くし
(4.5)

余談…
(4.5)