4月25日

展覧会レビュー&プレビュー
 

■ レビュー:カトルーグ・アタマンの映像インスタレーション「KUBA」。こちらは、あのアートエンジェルが贈る春の特別企画展。
■ プレビュー:注目の新進作家、サスキア・オルデ・ウォルバーズの個展。

今回プレビューを担当してくれたのが、ドローイング、パフォーマンスなどの幅広いメディアで活動をするアーティストの小西智恵さん。現在、ウェールズ州クウンブランにあるランターナム・グランジ・アート・センターで、グループ展「Reflex」に出品中とのこと。その展示品のひとつで、横幅4メートルもあるドローイングの大作が、以前賞を取ったジャーウッド財団のサイトで公開中なので、どうぞご覧下さい。(トコ)

 

4月23日

フォトグラファーズギャラリー・ブックショップ
 

19日付でドイツ・ボーズのレポートを掲載したが、これから行かれる方、ぜひともフォトグラファーズ・ギャラリー内の書店にも足を運んでみてほしい。実はここの書店は、1月に『スタジオ・ボイス』の取材でお邪魔したところだが、その後、店内を改装し、広さをこれまでのおよそ二倍に広げ、今月より再オープンしている。

店舗拡大により在庫が充実したことは言うまでもないが、一見に値するのが、レジの脇に新設された写真家お勧めの写真集コーナーだ。初回である今回は、大の写真集マニアで、ここフォトグラファーズ・ギャラリーの理事でもあるマーティン・パーがセレクションを担当している。このあとのセレクターには、2003年のシティーバンク写真賞にノミネートされたサイモン・ノーフォークらが控えている。

「べつに意識したわけじゃないみたいだけれど、集まったものをみたら戦争絡みのものが多かったんだよね」と、マネージャーのジョンが言うとおり、マーティンの棚には、報道写真家のゲールト・ヴァン・ケステレン(Geert van Kesteren)がイラクで撮影した「Why Mister, Why?」や、ポール・シーライト(Paul Seawright)がアフガニスタンで撮影した「Hidden」など、社会派と言えるようなフォト・ジャーナリズム系の写真集がズラリと並ぶ。

その中でも私のお気に入りはと言うと、テロに対する恐れの表れをユーモラスにパッケージした、Christien Meindersmaの「CHECKED BAGGAGE/ 3264」。こちらの写真集は、とある一週間のあいだに、アムステルダムのスキポール空港で没収された「危険物類」3,264個の写真が収録されたもので、おまけに、一冊に一点ずつ、ハサミやナイフなどの本物の没収品が一緒についてくる。コンセプトの冴えまくったこの写真集の一部が、作家のホームページで公開されているので見ていただきたい。

また、マーティンの今回セレクションで個人的に嬉しかったのが、「PLATFORM」をはじめとする森山大道の写真集が何種類かと、奈良美智川内倫子が掲載されているヴィジュアル誌「FOIL」の第一号が選ばれていること(こちらもテーマは「戦争反対」でしたね)。アルルの国際写真際で川内や畠山直哉など日本の写真家を意欲的に紹介しているマーティンは、日本の写真通として知られているが、ここでもちゃんとに押してくれているようだ。(トコ)

 

4月23日

アーティスト&ギャラリー etc.

 

■ 同じくマーティンについてもうひとつ。彼の個展Fashion Showが5月20日から所属ギャラリーのロケット(Rocket)で開催される。彼がファッション写真を撮るとは少々意外だが、今回のショーでは、一般のファッション雑誌のフォーマットを借りた彼の写真集「Fashion Magazine」から選ばれたプリントが展示される。ちなみに8000部印刷されるというこの写真集には、ニック・ナイト、ポール・スミス、ジャンポール・ゴルチエなどファッション業界のビッグネームが登場するという。マーティンの作品については彼のサイトで。

■ そして、その会場となるロケット(Rocket)だが、今月11日より、その拠点を、10年間店を構えたオールド・バーリントン・ストリートからイーストエンドのティー・ビルディング内へと移している。その昔、お茶の倉庫だったこちらの巨大雑居ビルは、ヘイルス・ギャラリーやアンドリュー・マメリー・ギャラリーなども入る、イーストエンドの新しいギャラリースポットとして注目を集めている場所だ。ロケットの新スペースは、来月のマーティンの個展開催をもってお披露目となる。詳細はギャラリーのサイトで。

■ 今年1月にガスワークス(Gasworks)で個展が開かれたサキサトムさんの新たな個展が、本日23日からバーミンガムでスタートした。今回の展示場所は、オープンしたての映像を専門とする展示スペースOne Seven Streetで、様々な文化圏の人にインタビューをしたスクリーン6枚構成の映像作品「Alternative Stories」を発表している。

ガスワークスの時には、オフィスの机の下に画面を押し込んだ、観ながら昔懐かしの地震の避難訓練を思い出してしまった映像+インスタレーション「Desk Project」が冴えていた。あのときの画面には、フランス人やイギリス人などにキスについて聞いたインタビュー映像が流れていたが、今回の「Alternative Stories」では、様々な国に伝わる物語がテーマ。母国語で語られた物語が、別の人によってドローイングに翻訳され、それをサキさんがさらにアニメーションに訳し、全部が一緒にスクリーンに流れるという一風変わった作品となっている。詳細はこちらで。

■ ここロンドンでは、フリーズ・アートフェアの「」の作品が記憶に新しい平川典俊氏が、パリのinSITUで個展を開催中。先月NYのSalon 94で発表した新作写真シリーズ「Subject」を発表している。

平川氏と言えば、アート・リンゼイをはじめ、これまでにも様々なトップクリエーター達とコラボをしてきた作家だが、今回の写真シリーズでは、先月、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞したトム・メインとコラボ。建築の写真には建物だけが写ってれば良し、人の存在は不要、という建築写真の定番に挑むべく、メインが設計したトロント大学内の院生寮にセクシュアルなポーズをとる女性たちを送り込んだ。甘美な肉体と、凍てつくような鉄筋コンクリートとが交わった結果は、驚くほどにスタイリッシュ。パリに飛べない方は(私もですが)、ギャラリーのホームページでご覧下さい。(トコ)

 

4月19日

展覧会レビュー&プレビュー
 

■ レビュー:フォトグラファーズ・ギャラリーで始まったドイツ証券取引所(Deutsche Borse)主催の写真展
■ プレビュー:ブリックレーン裏手、フォーダムにて22日から始まるグループ展「Illumination」

 

4月11日

高橋知子展、来館者4000人でフィナーレ
 

7,600個の「ガラクタ」転じて「アート」が解体・配布された高橋知子展の最終日。そのフィナーレの様子が、今日のイギリスの新聞の見出しを賑わしている。

各紙の報道によると、「作品のお持ち帰り自由」とうたわれた最終日の昨日、サーペンタイン・ギャラリーを訪れた来館者は約4000人。ギャラリーの外には午前10時の開館前から長蛇の列ができ、コンサートさながら整理券が配られたという。

 
Tomoko Takahashi
My play-station at serpentine 2005 - kitchen/headquarters
Installation at Serpentine Gallery, London (North Gallery)
© 2005 Tomoko Takahashi
Photo: Stephen White

配られた整理券は一人三枚で、一枚につき「アート」ひとつと交換。一度に交換できるのは一点のみで、二点、三点と複数の品を貰うには、再度列に並ぶ必要があったという。が、この厳しいルールも時間とともに緩み、最後はジャンブル・セールのような「何でももってけ」状態だったようだ。運良く現場に居合わせたフォグレスのフォトグラファー、栗田敬子の談話を紹介したい。

「私が着いたときには、もう作品は影も形もなくって、パズルとかカードとか、小さな物だけが少し床に残っているだけだったんですね。展示室もいつもと感じが違って、外から出入りできるように全室ドアが開放されていて、中に入るとけっこうな人だかりで、みんなそこらじゅうで物を拾っているんですよ。で、奥にいったら、高橋さんがカードを拾って「ハートの4欲しい人!」とか、自転車のタイヤとかを持ち上げて「このガラクタいる人!プレゼントに最適だよ」とか冗談まじりに大声を張り上げていて、みんなそれに飛びつくように反応していたので、まるで競りみたいでした。」

ちなみにこの作品「My Play-station」のために使われれた雑貨の数はなんと7,600個。すべてが使用済みのセカンドハンド品で、スキップと呼ばれる路上のごみ箱から高橋自身が拾い漁った物もあれば、学校や美術館から今回のために寄付されたもの、知人から寄せられた物などその出所は様々。

 
高橋知子展最終日の展示風景
Photo: Keiko Kurita

これらの品々は車やトラックにて直接ギャラリーに配送。連日運ばれてくる物品を入口、キッチン、オフィス、庭とテーマ別に分けた四つの展示室にアレンジする為に、高橋は開催までの四週間をギャラリーに寝泊りしながら過ごしたと言われている。

「家捜しにあった部屋」とか、「超ド派手なウィンドー・ディスプレー」などと、評論家に面白おかしく書かれたこともあった展示だったが、最後はメディアがこぞってニュースを報じる大フィナーレで閉幕。日本人作家の活躍が英国でここまで大きく報じられたのは去年のオノ・ヨーコ展以来のことだ(トコ)。

BBCの記事
The Guardianの記事
The Independentの記事

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このページの掲載内容

展覧会レビュー&プレビュー
*K.アタマン
*S.O.ウォルバーズ(4.25)

フォトグラファーズギャラリー・ブックショップ
*M.パー
*G.V.ケステレン
*P.シーライト
*C.Meindersma
etc
(4.23)

アーティスト&ギャラリー etc
*ロケット
*サキサトム
*平川典俊(4.23)

展覧会レビュー&プレビュー
*Deutsche Borse
*Illumination(4.19)

高橋知子展、4000人の来館者を迎えてフィナーレ(4.11)