9月21日 今週のおすすめ?(7)
今週の主役はアート界でビジネスサイドを受けもつ商業ギャラリー。展覧会は「The Galleries Show」。教育機関たる美術館がビジネスの旗手たちに手招きするこの企画展では、草分け的存在のLisson Galleryからアーティスト運営のVilma Goldまで、現代アートを扱うロンドンのギャラリーがロイヤル・アカデミーに大集合。

ロンドンのアート業界では、ギャラリスト達は単なるビジネスマンを超えて業界のトレンドセッターたる存在。新人の発掘と育成にも積極的で、気になる新人はまずここからって言うくらい。商業ギャラリーでのショーが評価されて、美術館デビューというパターンもかなり一般的。

もちろん展示にも余念がなく、作品を効果的にみせるためならスペースまでガラッと模様替えしてしまうくらい。この間のVictoria Miro Galleryがいい例で、Chris Ofiliの絵のためにギャラリー内に大聖堂ばりの建物を一つ作ってしまったほど。キュレータを使うことも少なくなく、壁に掛けた絵を売ってりゃ良かった時代は去りつつあるこの頃。(失言。実はこの手のギャラリーもまだ沢山あります。でもフォグレスでは無視。)

とまあ今回の企画展は、彼らギャラリストに敬意を示すと同時に、業界における彼らの重要性を再認識するもの。展示は各ギャラリーに一部屋が与えられ、それぞれの趣向で取扱い作品を展示するというもの。壁にはギャラリーのプロフィールを書いた簡単な紹介文が掲示されている。

でも実際の展示はと言うと、着眼点のユニークさとは対照的にかなりお粗末な感じ。Anish KapoorやVolfgang Tilmansなど有名どころが結構いるわりには、ギャラリー・アーティストを一緒くたに並べた展示が多いせいか、まとまりが無くてアートフェアのような安っぽさが全体に。それにスペースもいまいちしっくり来なく、ギャラリーのスペースのほうが建築が凝っていたり、雰囲気が上手く出ていたりして良かったりする。

さらに、White CubeやHales Galleryなど幾つかの重要なギャラリーが欠けていることにもがっかり。その一方で、まだオープンして1年も経たないギャラリーが紹介されていたりして、いまいち選考基準を理解するのに苦しむ。今回の出展は企画当初選抜された33ギャラリーから選ばれた20団体で、残りの13団体は展覧会カタログのみでの紹介となっている。

ロンドンの商業ギャラリーを知りたくばまずこの展覧会!とご紹介したかったのですが、一体どうしたものでしょうか。やっぱり楽をしては良いものは見られない、ということでしょうかねぇ。5ポンドもするのですけどね…。ギャラリーまで足をのばすことをお勧めします。(トコ)

The Galleries Show
02/09/14-02/10/12、Royal Academy of Arts
 
9月19日 更新情報

長いこと野放しにしてましたリンクのページに、少し手を入れました。今までのギャラリーへのリンクに加え、アートフェア、アート情報、アーティスト、アート関連団体、英国のアートカレッジのサイトへのリンク集を載せました。

 
9月13日 サーチ・ギャラリー来年春オープン
噂だけが色々と飛び交うなか、やっと昨日サーチから正式な発表がありました。

ギャラリーと呼ぶよりは美術館というほうが相応しそうな新スペースは、噂どおりロンドン・アイ近くにある旧ロンドン市庁舎County Hall。ちょっと先にはライバルたるNicholas
Serota氏率いるテート・モダンが控え、まさにロンドンのカルチャー心臓部。

開館は来年の春。デミアン・ハースト、トレイシー・エミン、チャプマン兄弟、セーラ・ルーカスなどヤング・ブリティッシュ・アーティスト(yBa)達の展覧会を順に催していくらしい。また興味深いことに、Charles Saatchi氏自身がキュレータを努めるという話。

年間の予想来館者数は750,000人(希望ですが)。開館時間は午前10時から午後10時までとロンドンではダントツの長さ。入館は有料です。(トコ)

BBCの記事
The Guardianの記事
フォグレス日誌の12月4日付けにも関連記事が載ってます
 
  展覧会情報

夏休みムードが明け、にわかに動き始めたロンドンの商業ギャラリー。今週から来週にかけて新しいショーが続々とオープンします。これに週末から始まるロイヤル・アカデミーでのギャラリー・ショーが加わり、今月は商業ギャラリーの存在が大きい一月になりそうです。

Eastendの展覧会」:一風変わった移動式美術館を紹介するinIVAら13件。待望のホワイトキューブ2も27日にリニューアル・オープン。

West Endで展覧会」:今晩オープニングのLaurent Delaye Galleryでの写真展「Rut Blees Luxemburg」他8件。

テムズの南側」:サイトスペシフィック作品が披露されるGasworks他5件。

 
9月11日 Here is New York
ワールド・トレード・センタービル崩壊現場をニューヨーク市民達が撮影した写真展「Here is New York」のロンドン展が始まりました。作品は一律25ドル、売上げは全て被害者の支援活動に寄付されるというチャリティー・ショーで、ニューヨーク、シカゴ、ワシントン、東京、デュッセルドルフ、チューリッヒなど世界主要都市で同時開催されています。

 
Here is New York
The Newsroomでの展示風景
photo: toko ©
ロンドンでは寄せられた約6000枚の写真の中から約500枚を展示、2000枚をスクリーンで上映しています。展示品は送られてきた写真をスキャナーで読み込み、インクジェットプリンターからA3サイズで印刷したもの。プリントは壁に取り付けられた針金にアリゲータークリップでパチパチと留めて展示。多くの会場では洗濯物を干すように天井から吊るされているようですが、ロンドンでは壁とパーティション、ガラスケースを使った展示となっています。

企画の発端はNYに住むあるショップオーナーがワールド・トレード・センターの写真をウィンドーに貼り始めたこと。写真家の友人がこれに注目。アートスクールの教員とキュレーターが加わって、プロアマ問わず多くの人に写真の提供を呼びかけることに発展。去年の9月25日に展覧会として一般に公開され大きな反響を得、当初10月15日までだった予定がクリスマスまで延長。さらに、噂とともに他の都市や国からの関心も高まり、国際現象にまで発展したという話。

ロンドンでの展示は10月5日まで。写真の購入はHere is New Yorkのホームページから出来るとのこと。(ロンドン会場での販売は行われていません)(トコ)

Here is New York, 02/09/11 - 02/10/05
The Newsroom, Archive and Visitor Centre
 
9月8日 展覧会情報

展覧会カレンダーに新情報をアップしました。

メジャー展示スペース」:今月中旬からスタートするメジャー展のなかからお勧めの展覧会を抜粋。ホワイトチャペル、バービカン・センター、テート・モダン、テート・ブリテンなど。

気になる写真展」:今月の特徴は、昨年9月11日の米同時多発テロを追悼してチャリティー・ショーが2つも開催されること。ひとつはザ・ガーディアン紙の写真アーカイブ内のギャラリーで催される「Here is New York」展。もうひとつは元サーチ・ギャラリーで開かれる「Impact」展。どちらも展覧会の収益はすべて、同事件の被害者をサポートする救済基金に寄付されるということ。

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今週のおすすめNo.7(9.21)
The Galleries Show

更新情報 (9.19)
リンク

サーチ・ギャラリー来年春オープン (9.13)

展覧会情報 (9.13)
イーストエンド
ウェストエンド
テムズの南側

Here is New York (9.11)
展覧会情報2(9.8)
メジャー
写真展