2月28日 アワード:Shirana
Shahbasiに決定!
今年のCitygroup Private Bank Photography Prizeの受賞は、イランの日常を写真と絵画を使って表現した若干27歳のShirana
Sharbasiに決定しました。 詳しいレポートはThe
Gaurdianのページ で。 foglessのレビュー もご覧ください。
2月28日 展覧会:Undertow
久しぶりにロンドンの南東方面を徘徊しました。 London Bridgeで地下鉄を降り、駅前の繁華街を抜け、しょぼくさい高架下トンネルを足早に進む。と、その途中、反対側の壁にあいた穴のなかに人影が。近づいてみると意外にも、展覧会が催されていました。
穴蔵に潜り込んだのは、ロンドンを拠点に活動するGoldsmiths Collegeの卒業生5人。(Reiko Akatsuka, Julie Clark,
Alexa de Ferranti, Kaz, Adam Thompson) 泥臭い匂いと湿った空気を味わいながら穴蔵に入ってみました。絵画にプリント、立体にインスタレーションが、時に暗闇から浮き上がるように、時に溶け込むようにいい感じで忍び込まされていました。
場所に負けじと作品もミステリアスで、いわくありげな乗捨て車、森の向こうにそびえる幽霊館、儀式の匂いが漂う黒こげのテーブルとどこか意味深。さらには行灯に見えたものがウェブに侵されたビルだったり、いつのまにか自分の影が作品の一部になっていたりとヒネリもあちこちに。
泥と水滴と電車の轟音のなかで、無菌状態のギャラリーにはない生きた感触を体験したような気がしました。湿気やカビに侵されてしまったとしてもガラスケースのなかの化石にはしたくない、というアーティストの意気込みが伝わってくるような感じも。
あとでKazさんとAlexaさんに作品の解説をしていただいたところ、見落としていたものがボロボロと出てきて改めて作品の複雑さを実感しました。このことについてはまた後ほど。(トコ)
展覧会の詳細はUndertowのホームページ で。
2月27日 The
Centre of Attention Magazine (続)
昨日ぎりぎりのところでご紹介しました「The Centre of Attention Magazine No.2」のスクリーニングに行ってきました。
期待どおりビデオの内容はなかなかのインディーぶり。血のしたたるパフォーマンス、エロエロなイメージ、機械フェチとかなり灰汁の強い内容。
なかでも一番見ごたえがあったのがFranko Bのパフォーマンス。ビア樽型のダビデ像って感じに頭のてっぺんから爪先まで白塗りのFrankoが、ギャラリーに設えられたキャットウォークをモデルのように行ったり来たり。それも、なんと、脇から血をポタポタとしたたらせながら。何往復もするうちに、キャットウォークにはみごとに血の道が。Ikon
Gallery(バーミンガム)で催されたパフォーマンスの収録だそうですが、その迫力の凄さは観客の驚く様をみれば明らか。 Oreet Asheryのビデオも、パフォーマンスとイギリスのソープ系コメディの合いの子みたいで印象的。アートビデオにしては珍しくプロットのあるもので、主人公はいかにも真面目そうな黒ずくめのユダヤ人。どこにいっても浮いていて「外人」というオーラに包まれている。この男が最終的にダーティーなダンスの世界に拠りどころを見出す。という展開が下ねたたっぷりに表現されていました。Golders
Greenとフルモンティをミックスしたようなところにロンドンっぽさを見たような気が…。 今回のビデオは50部限定で販売されています。二本組み(40分、47分)で50ポンドとやや高め。申し込みは電話またはEメールでできるそうです。(トコ)
詳しくはThe
Centre of Attentionのページ で。 Franko
Bのホームページ
2月26日 The
Centre of Attention Magazine No.2
ザ・センター・オブ・アテンションのビデオ雑誌「The Centre of Attention Magazine No.2」のスクリーニングが、明日27日SohoのGreen
Roomで行われる。今回のロンドン上映は、昨年10月のニューヨーク、今年一月のベルリンでの上映に次ぐもの。 年一回発行されるビデオ形式のこの雑誌は、アーティストに展示の場を提供する新しいプラットフォーム。第二弾の今回は、同ギャラリーが過去2年にわたって紹介してきたアーティスト23人のイメージ&作品が盛り込まれている。
ザ・センター・オブ・アテンションは定着した場所を持たない展示スペースだ。ロンドンのShoreditchを中心にニューヨーク、ベルリンと広範囲に活動を展開している。
「注目に値するアーティスト」が展示の選考基準。ゆえにこの名前だ。 展示スペースとコミッションを無料で提供するかわりに、アーティストから作品一点を寄付してもうという一風変わったシステムで運営されている。(トコ)
The Centre of Attention Magazine N°2 (video issue) Screening : 02/02/27,
10 am to 6 pm Green Room, 13 Bateman Street, Soho, London. 入場無料 www.thecentreofattention.org/
2月25日 展覧会情報
「気になる写真展 」のページに新情報をアップしました。今回はV&A,
Shine Gallery, RIBA, fa projectsで開催中または開催予定の4件です。
2月25日 Millennium
Bridgeやっと開通
開通後3日で閉鎖という前代未聞の記録をもつミレニアム・ブリッジが、先週の金曜日に開通しました。 テートモダンと聖ポール寺院を結ぶこの橋。新旧の文化の架け橋として重要な意味をもつはずの橋なのですが、渡ってみた印象はかなり希薄な感じ。よく言えばミニマル、悪く言えばチャチというのが率直な感想。
問題の「激しい揺れ」の方はだいぶ改善されているようでしたが、やっぱりまだ若干の揺れが身体に伝わってきます。強風のせいもあるかもしれませんが、全体的に貧弱で少し怖く感じました。皆さんも是非トライしてみてください。
ちなみに私が歩いた経路は以下のとおりです。 Blackfriars駅で地下鉄を下車。 改札右手にある国鉄Queen Victoria駅を通り過ぎ、
Queen Victoria Streetに出る。 この道を東方面(右)に5分ほど歩く。 City of London Schoolが右手に現れるので、
ここを右折し真直ぐ進む。 と、目の前がミレニアムブリッジ。
2月25日 The
Affordable Art Fair, London,
フラットの壁が寂しいな〜。絵でもあるといいんだけどなあ〜。なんて思ってる方いませんか? または、イギリス旅行の土産に絵でも一枚。なんていう方はいませんか?
今週木曜から始まる「Affordable
Art Fair」がお勧めかもしれません。ロンドンで春秋2回開かれるこのフェアは、その名のとおり「手ごろな値段」がポイントのアートフェア。
130以上のギャラリーがブースを構える会場には、2500ポンド以下(手ごろ?)で買える絵画や版画が沢山並ぶという。出展アーティストが前回(2001年10月)と総入替えという点もリピータには嬉しいこと。
会場はBattersea
Park内。散歩がてらにブラッと寄ってみてはどうでしょうか? 会場からちょっと行ったPump House Gallery(公園内)では「Japan
Four 」展も開催中なのでお忘れなく。(トコ)
The Affordable Art Fair, London, Spring
Collection Battersea Park, London (Sloane Squareから無料送迎バス有り) 02/02/28
- 02/03/03 Feb 28: 1100-2100, Mar 1-3: 1100-1800 Private View: Feb 28,
1800-2100 (10GBP inc. drinks) 大人 8GBP (前売り7GBP) 16歳未満無料、学割あり www.affordableartfair.co.uk/
2月24日 更新情報
「exhibitions 」のページの模様替えをしました。数が増えてしまったレビューをシーズンごとに分けてみました。これで少しはロードしやすくなってくれているといいのですが…。
2月21日 ギャラリーレポート:MW
Projects
3週間前のこと。とあるキッチンでSophie von Hellermann(ソフィー・ヴォン・へラーマン)のアクリル画を見つけた。何ヶ月か前にSaatchi
Gallery(サーチ・ギャラリー)で見たのと似たものが、壁に無造作に立てかけられていた。 どういう経路でここに辿りついたのかと疑問に思っていると、「展示室はあちらですよ」と声をかけられ、隣の白い部屋に案内された。窓際には赤と緑のアームチェアが、その向かいの壁には企画第一弾Marine
Hugonnier(マリーン・ヒューゴナー)の海の写真が飾られていた。 まるでコレクターの自宅のようなここは、去年の12月にOld Street(オールド・ストリート)にオープンした
MW Projects (MWプロジェクツ)。アーティストと一緒にプロジェクとを企画し、出来上がった作品を発表する商業プロジェクトスペースだ。
経営者は油の乗ったキュレーター Max Wigram(マックス・ウィグラム)。この秋にはロイヤル・アカデミーでNorman Rosenthal(ノーマン・ローゼンタール)と一緒に展覧会を手がけるらしい。
一般への公開は毎週金曜日。それ以外の日はアーティストのためのプロジェクトスペースとして使われているが、予約を入れれば見学さえてもらえるという。 (トコ)
MW Projects
43 B Mitchell Street, London EC1V 3QD 020 7251 3194 Sophie von Hellermannの展覧会レビューはこちら
2月19日 Japan
Four展、Pump House Gallery
「イギリスにる日本人アーティストの作品が観たいな」と思っている方、いらっしゃいませんか? グッド・タイミングです。カレンダーにもリストしましたが、英国在住の日本人アーティストによる展覧会「Japan
Four」がPump House Galleryで今開催されています。 小ぢんまりとしたショーですが、中身の濃い作品が集まっていてお勧めです。メディアもデジタル、インスタレーション、絵画、写真と豊富で、一人ワンフロアがあてがわれたプレゼンのしかたも余裕があっていい感じです。
個人的には、Masakatsu Kondoさんのハイパーリアルなアクリル画が気に入りました。指輪物語のミドルアースを思わせる森林の風景が、時間がたつうちにカモフラージュ・パターンに見えてくるところあたり特に良かったです。(トコ)
参加アーティスト:Hiroko Nakao, Masakatsu Kondo, Kazuko Takahashi, Urban Feedback
キュレータ:Susie Gray 詳細はカレンダー「テムズの南側 」で
2月19日
「伊島 薫」展、FA Projects
ちょっと先のことになりますが、写真家&CMディレクターの伊島薫の個展がサウスロンドンのFA Projects (エフ・エー・プロジェクツ)で3月5日から始まります。
出品作品は「死体のある風景」というシリーズもので、死体の振りをする女優(かたせ梨乃、松雪泰子など)を様々な風景のなかで撮影したもの。死体は決まって有名ブランド品を身につけている。
このシリーズは伊島氏自身が創刊した雑誌「zyappu」(1994-99)に「連続女優殺人事件」というタイトルで連載されていたもの。去年の11月に「Kyoto
International Photo Showcase 2001」で展示され話題を呼んだみたいです。 詳細はカレンダー「テムズの南側 」で
2月19日 展覧会レビュー
The Photographers' Gallery (ザ・フォトグラファーズ・ギャラリー)で現在開催中の「The
Citygroup Private Bank Photography Prize 2002 」のレビューをアップしました。
2月8日 展覧会レビュー
展覧会のページに、レビューを二つをアップしました。
「Jemima
& Dolly Brown (ジェマイマ・アンド・ドリー・ブラウン 」は、去年12月に イーストエンドのVilma Gold(ヴィルマ・ゴールド)で開催された展覧会から。
「Lucy
Gunning(ルーシー・ガニング) 」は、若手アーティストを対象にテートブリテンが年4回催す「Art Now」プログラムから。
2月7日 展覧会情報
カレンダーのページに、展覧会情報「テムズの南側 」と「West
Endで個展 」をアップしました。
2月6日 ビデオアートに関するA
to Z: UNXposed
ハリウッド映画や物語主体のショートフィルムに関する情報はネット上に沢山あっても、アート系ビデオに関する情報となると探すのがかなり難しい。
そこでお勧めなのが、ビデオアートのポータルサイト「UNXposed」だ。スペインを中心に活躍中のアーティストManuel Saiz(マニュエル・サイズ)によるサイトで、情報 は個人サイトとは思えないほど徹底してる。
膨大な量のリンク先には、ヨーロッパのビデオフェスティバルの企画団体や配給会社から、機材の製造販売会社、奨学金に関する情報、ビデオストリーミングを行っているサイトまでと実用的なサイトが並ぶ。
なかでも参考になるのが、企画それぞれに対する彼のコメントとレーティング。様々な企画のなかから自分に合ったものを探すのにこれがとても便利だ。
その他にもフェスティバル情報を載せたメーリングリスト、無料の技術サービス(NTSC−PAL 変換)などビデオアーティストには有難いサービスを提供している。言語はシンプルな英語。(トコ)
UNXposedへはこちら をクリック
2月5日 ICAでお家騒動
一週間ほど前のこと。玩具のピストルが入ったバスケットが、Institute
of Contemporary Art (ICA)の首脳陣がテーブルを囲む会議室に届いたという。 意味深な贈り物の差出人は、この会議に招待されなかったIvan
Massow氏。元保守党の議員で、最近New Statesmanという雑誌で暴言を吐いた渦中の人だ。 暴言はコンセプチュアル・アートについてで、「Concept
Art (コンセプト・アート)」は「pretentious, self-indulgent, craftless tat(尊大ぶってて放縦で下手な安物)」で「no
substance(中身がない)」ということだ。 90年代以降ブリティッシュ・アートの主流となったコンセプチュアル・アートに対する非難の言葉で、ご丁寧にも具体的例として我らがスター、Tracey
Emin(トレイシー・エミン)とDamien Hirst(デミアン・ハースト)の二人を挙げてくれた。 二人の作品がコンセプチュアル・アートかどうかは別として、氏の発言の内容はこれまでに色々な人たちが指摘してきたことに過ぎない。加えて、質の低い作品が多々あるなか一概に嘘とも言えない。
問題はMassow氏の立場だ。実は彼、数多くのコンセプチュアル・アートを一般に紹介してきたICAの会長なのだ。おまけにICAではDamien Hirstの個展もやっている。そう、これを言うには立場的に非常に問題がある。
新聞や雑誌が氏の発言を面白おかしく取り上げるなか、ICAでは29日に会長抜きで首脳会議が秘密裏に行われたという。そこで会長「首」の声が高まる中、冒頭のコンセプチュアルな贈り物が届いたらしい。
挑戦なのか、それとも「この銃でバカな私を打ってくれ」という謝罪なのかとコンセプトの裏を探っている間に、昨日Massow氏辞任という形でお家騒動に決着がついてしまった。(トコ)
2月1日 Gilbert
and George のテープ
昨年11月18日。ヨークから5マイル離れたところでスーツケースの中から女性の死体が見つかった。死体は東洋系の女性のものだったが、腐敗がひどく所持品からも身元が割れず事件解決は難航をみせた。
しかし、事件の解決は意外な方向からもたらされた。リーズ大学に留学中の韓国人警察官が、行方不明になっている女性の家族からのメッセージをたまたまインターネット上で目にしたのだ。
事件解決は急速に進展し、被害者は21歳の韓国人女性であることが判明。警察は今月半ばロンドンで30歳の男性を殺人の容疑で逮捕した。
今回の事件で解決の重要なカギと注目されたのが、死体に巻きつけられていたギルバート・アンド・ジョージの粘着テープだった。2000年の12月に2000部限定でテート美術館四ギャラリー(London2ヶ所,
Liverpool, St. Ives)で発売されたものだ。 テープの販売は即座に差し止められ、売れた850本の購入者の割り出しに警察はアート系雑誌を窓口に一般に情報提供を求めた。(トコ)
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