クリスマスも終わり今年も残すとこあとわずかとなりました。今年はWhite
Cube、Flowers East、Anthony Reynoldsの拡大改築オープン、Haunch of Venisionのオープンなど商業ギャラリーの躍進が目立った一年でしたが、来年は一体どんな一年になるのかが気になるところ。
色々あるなかフォグレスで特に注目しているのが改築ブームたけなわの美術館。Hayward Gallery(ヘイワード・ギャラリー), The Saatchi
Gallery(サーチ・ギャラリー), Camden Arts Centre(カムデン・アーツ・センター), National Gallery(ナショナル・ギャラリー)とあちこちでリニューアルがプランされています。
まずはRoyal Festival HallやQueen Elizabeth Hallなどと一緒に総合文化施設サウス・バンク・センターを成すHayward
Galleryの増築プラン。新しくなる部分は現在チケットオフィスが置かれているコンクリート造りの正面玄関。重苦しい灰色の壁が取っ払われガラス張りの澄みきった空間へと変貌を遂げるもよう。改築デザインはNYベースのアーティストDan
Graham(ダン・グレアム)と建築会社Haworth Tompkings Architectsによるもの。吹き抜けのホール天井にはNYのDia Centreのインスタレーションなどで知られるGrahamの定番作品、ミラーガラスでできた円形パビリオンが設置される予定。カフェもこの中に取り込まれ今のプレハブ状態から脱皮。工事着工につきギャラリーは今回のDouglas
Gordon展をもって暫しお休み。再オープンは来年秋を予定。
今年夏からリニューアル工事が始まったCamden Arts Centreも来年秋には再オープンの予定。1971年にロンドン北西オープンしたここはアートスクール運営のほか定評のある美術展を幾つも企画し、ローカルなロケーションながらロンドンのコンテンポラリーアートシーンには欠かせない存在。去年のターナー賞受賞者Martin
Creedの他Mike Nelson、Yinka Shonibareなどがここで展示しています。新スペースにはこれまでのショップのほかカフェ、閲覧室などが加わる予定。
改築規模でもっとも注目なのが名作が多数宿るNational Gallery。総額1億ポンドが投入される大改築計画の第一弾「East
Wing Project」が来春よりスタート。正面玄関を含むギャラリー東ウィングが大々的に改築され、入り口が現在の一階から地上階に移動、トラファルガー・スクウェアから直接に入館することができるようになる。入り口横にはカフェにショップ、その先にはメインフロアまで吹き抜けの大ホールができる予定。トラファルガー・スクウェアでは早くも数ヶ月前から工事が始まり、すでにスクウェアとナショナル・ギャラリー間を走る車道がシャットアウト。いずれここには大英博物館のグレート・コートのデザインで知られる建築家Sir
Norman Fosterによる階段が建設されるという。完成は2005年を予定。(トコ)
Hayward Gallery
Camden Arts Centre
National Gallery, London
12月26日
ロンドンのギャラリー事情
9〜10月に新ギャラリーのオープンが続出したあと停滞したかに見えた商業ギャラリーシーンですが、先月イーストエンドのRedchurch Streetに2件新ギャラリーがオープンし元気な様子を見せてくれました。今回ここにスペースをオープンしたのはドイツ系のギャラリストWiebke
Morganに、ノティング・ヒルのTablet GalleryやHabitatのアートプログラムを担当してきたKate MacGarry。Modern
Art Inc.と建物外壁を展示スペースにしているグループをあわせると、Redchurch St.にはこれで合計4件の展示スペースがあることになります。
それから最近ギャラリー筋でもっぱら評判なのは、来年10月に開催されることになった新アートフェア「Frieze Art Fair」。ロンドン初の本格的国際アートフェアとなるこのフェアのオーガナイザーは、過去10年に渡りロンドンのコンテンポラリーアートシーンをリードしてきた美術雑誌「Frieze」。会場はリージェンツ・パーク内で、展示場はこれから建設されるということ。「トレード・フェアというよりはフェスティバルっぽい」というこのフェア、どんな形となって登場するのかとても気になるところ。(トコ)
Wiebke Morgan Gallery
Kate MacGarry Gallery
Frieze Art Fair についてはこちら
マドンナの放送禁止用語と大穴マーティン・クリードの受賞で盛り上がった昨年に比べ、プレゼン、受賞ともにまとも路線に徹した今年のターナー賞。哲学や科学的要素を取り込んだインテリ色の強い作品を発表しているタイソンの受賞は、美術評論家や専門家の間でサポートの声が高かっただけに割とすんなりと受け入れられた感じ。プレゼンターはImperial
War Museum, NorthやベルリンのJewish Museumの建築で知られるダニエル・リベスキンが務めました。(トコ)
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