10月23日 展覧会レビュー

レビューを2本載せました。
Anya Gallaccio」:テート・ブリテンで発表中のガラチョの新作インスタレーションをレポート。氷や花などを使って麗しくも儚い作品を披露してきた彼女が今回はオークの木と砂糖に挑戦。
Rut Blees Luxemburg」:パリの夜を艶麗に写したルクセンバーグの新作写真シリーズ「Cauchemar」をレポート。

 
10月17日 世界最大級のアート出現 !

新聞で読んだり噂を聞いたりと、もうご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、世界最大級のアートがテート・モダンに登場し話題になっています。

作家は91年にターナー賞を受賞した彫刻家Anish Kapoor(アニッシュ・カプーア)。企画はテート・モダン開館以来の目玉、1階の巨大ホールを使った「The Unilever Series」で、2000年のLouise Bourgeoisと2001年のJuan Munozに次ぐ企画第三弾。今回初めてホール全体を使った展示が実現されました。

 


Anish Kapoor, Marsyas, 2002

photo: kuma, 2002©
オープニングの様子

Holland St.側の入り口からホールに入ると、まずは天井まである傘のような物体にご対面。そのサイズに呆気にとられながら先に進むと、傘から伸びた管がホールの中央と反対側に似たような傘を開きながら、途切れなく全体に広がっていました。テートの空間にとけこんだその物体は、アートというよりはそこに寄生する別の建築物といった感じ。

高さ35m幅23m長さ150mに及ぶ作品の構成素材は、傘の輪をなす金属と縫い合わされたPVC膜の組合せ。使われた金属は約30トン、皮のように見える膜は全形7000平方メートルという恐ろしいサイズ。ほんの数箇所で固定された浮いているような巨大物をみていると、一体どうやってこの重量をささえているのだろうかという疑問が押しよせてきます。

さすがにこのサイズだけあって、作品を全貌するなんてことはまず不可能。どこに立っても一部しか見えなくて、立つ場所によってフォルムもかなり違って見えます。下から見上げたり、上から見下ろしたり、傘のなかに包まれてみたりと鑑賞を続けるうちに、右へ左へ上へ下へと何度もホールを行き来してしまいました。

作家Anish Kapoor(アニッシュ・カプーア)はボンベイ生まれロンドン在住の彫刻家で、ターナー賞の他に1990年にはベニス・ビエンナーレに出場、国内外での個展も多数という実力派作家。現在、大英博物館のGreat Courtを飾る作品も制作中というということ。(トコ)

Anishi Kapoor, Marsyas, 02/10/09 - 03/04/06
Tate Modern

 
10月6日 ロンドンのギャラリー最新情報
先週から今週にかけて連日のようにオープニングが続いているロンドンのギャラリーシーンですが、今日はそのなかから新装&移転オープンを迎えたギャラリーを幾つかご紹介します。

まずは6月からずっと店舗改築のためお休みしていたWhite Cube 2ですが、あのみごとなキューブ状の建物の上に、これまたキューブ状のガラスのフロアーを携えての登場となりました。(横から見ると奥行きが深くて厳密にはキューブではないのですが…)このガラスの張りの部屋にオフィスとVIPルーム入ったのと同時に、展示室も従来の路面階のフロアーに2階のプロジェクトルーム「Inside the White Cube」が加わってさらに充実。
 


White Cubeのオープニングにて
。夕方6時にオープンするやいなや、一気に人だかりの山と化したホックストン・スクウェア。すぐ前の道もほぼ通行止め状態に。
photo: kuma, 2002©

Duke St.に一号店White Cubeが誕生した頃の前衛的な勢いを顧み、このプロジェクトスペースではキュレータを招いての実験的な試みが色々と催されるということ。栄えある初回はParkettの元エディターLouise Neriがキュレータに抜擢。挑発的なインスタレーション作品で知られるアメリカ人アーティストDavid Hammonsの超ミニマルな世界が紹介されています。一方、メインの展示室では人気のyBa画家Gary Humeの新作が紹介されています。全体的にグレーっぽい色合いの家庭用ペンキで描かれれた人物や植物の絵は、華やかなオープニングとは対照的にかなりシックな感じ。

さて、気になるウェストエンドのWhite Cubeの行方のほうですが、こちらはHoxtonのWhite Cubeに吸収されるという形で9月一杯でクローズ。Hoxtonの建物にかかれたWhite Cube 2から「2」の字が取除かれ、しっかりとWhite Cubeに変更されていました。

コークストリートにもお店をもつアンジェラ・フラワーズのイーストエンド店Flowers Eastも9月24日から営業が再開されました。場所をHackneyからHoxtonのKingslands Roadに移しての移転オープンで、展示室はVictoria MiroやWhite Cubeばりの広さ。1階にはメイン展示室の他にプロジェクトルームとブックショップが設けられ、2階にはグラフィックスギャラリーとオフィスが入っています。移転オープンを飾る企画はギャラリー・アーティストによるグループ展で、巨大な絵画をゆったりと展示。

さらにFlowers EastとWhite Cubeの中間には、Peerが移転オープン。Shoreditch Town Hallの工事と同時に姿をくらましていたアート団体Peerの新スペースで、Hoxton St.のパブMacbethの向かいにオープン。新スペースのスタートを飾るのはLars Arrheniusで、ロンドンの地図「A to Z」とコミックブックを合わせた一風変わった趣向の作品が展示されています。(9月25日オープン)

西から東への移動では、3年前にClerkenwellにオープンしたMobile HomeがBethnal Greenに移転。場所はCambridge Heath Rd.とHackney Rd.の交差点傍のVyner Streetで、同じく1年半前に移転オープンしたNylon Galleryの真向かい。スペースは元倉庫または工場を改造したって感じのところで、荒れた雰囲気がいい具合に漂っていてとてもイースト的。4日のオープニングにはご近所のNylonやVTOのギャラリスト達も顔を見せ、新ギャラリーのオープンを地域をあげて歓迎。移転後初の企画はJoey Kottingの絵画。

さらにキュレータ兼コレクターのLotta Hammerも西から東へ移転。High Street Kensingtonのスペースを閉じてLiverpool StreetにHamma Sidiをオープン。新スペースはマンチェスター出身の俳優Nick Sidiとの共同経営で、国内外の若手と中堅どころを紹介していく方針。オープニングの企画はNY、コペンハーゲン、ケルン、マンチェスター、ロンドンの作家を集めたグループ展。(トコ)

White Cube 
Flowers East
Peer
Mobile Home
Hamma Sidi

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世界最大級のアート出現 ! (10.17)
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