7月半ばから公開中のサーペンタイン・パヴィリオンを訪問。フランスの鬼才ジャン・ヌーヴェル(Jean Nouvel)による、「赤いプレイ・グラウンド」と評判のパヴィリオンを堪能してきました。ヌーヴェルのデザインは大胆なことに、高さ12メートルの斜めの壁からカフェの冷蔵庫まで赤一色。その灼熱の世界に包まれるやいなや瞳孔が開き、アドレナリンが湧き出し、胸がドキドキするといった興奮効果バツグン。まさに、「強烈」のひと言。

ケンジントン・ガーデンズの芝生のなかに忽然と現れたこのパヴィリオンは、建築物というよりは屋外フェスティバルなどでよく見かける大型テントの超グラマー版といった感じ。「コ」の字を反時計回りに90度回転して横に長〜く伸ばしたような鉄筋の柱が何本か立っており、その間をつなぐように開閉式の天幕が日差しに応じて下ろされた状態。そして、この中央部を挟むように、左には馬鹿でかい斜めの壁、右にはガラス張りのキューブの部屋。それらすべてをつなぐように、陸上トラックを想起させるアスファルト風の床が一面に敷かれ、これも赤であるがために溶岩の上にでも立っているような気分になる。

パヴィリオンのなかは日中はカフェになっており、金属、プラスチック、木など様々な素材でできたテーブルや椅子が並んでいる。パヴィリオンにカフェという組み合わせは、赤という色を除いてこれまでのパヴィリオンと同じだが、ヌーヴェルのデザインには遊び場のコンセプトが盛り込まれおり、マットレスや卓球台、ハンモックなどが随所に忍ばされ、これが子供や若者に大人気。フリスビーやカイトなども貸し出しているらしい。

手前の天幕を通り過ぎてさらに奥に入ると、そこは赤と緑が狂おしいまでに対峙するシュールな世界。反対色の赤に刺激されてパーク内の木々が一段と緑に輝き、それを助長するかのように床もゴルフ場のようにグリーン(素材は人工芝ではなくて赤の床と同じアスファルト風)。周囲の自然をこういう形で引き立たせようとは何ともクリエイティブ。わたし的にはこれこそまさに「アリス・イン・ワンダーランド」。

調度品のデザインにも余念がなく、この写真のなかのテーブルのようにチェスができるようになっていたりする。ちなみに私が気づいたところでは、このテーブルと上で書いた床だけに緑が使われており、それ以外は赤。

パヴィリオンの向かいには卓球台がセットされ、親子連れの来場者に大人気。夏休みに子供を連れて行く場所に困っているお母さんたちに、ぜひオススメしたいです。道を渡って公園の反対側には、ダイアナ・メモリアル・ファウンテンもあるので遊び場の梯子もできます。でもその前に、ギャラリー内で開催中のヴォルフガング・ティルマンス展の鑑賞もお忘れなく。

Serpentine Gallery Pavilion 2010
Designed by Jean Nouvel
2010年10月17日まで
Serpentine Gallery


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