Marcus Coates 'Intelligent Design' 2008
film produced in association with Calouste Gulbenkian Foundation and the Galapagos Conservation Trust Artist Residency Programme. (A film made in the Galapagos in 2008 of a failed attempt by two giant tortoises to mate. The film is 8mins and looped so there is no set beginning.)



文:伊東豊子(Toyoko Ito)

「親ガメの上に子ガメを乗せて〜」なんて唄が昔あったが、こちらはガラパゴス諸島のゾウガメのカップル。乗っていることは乗っているが、子ガメにはちと灰汁の強すぎる繁殖の行為。300キロもある体がなんとも重そうだが、種の存続がかかっているだけにゾウガメも必死だ。「あ〜あ〜」とやけに人間臭い喘ぎ声を上げながら頑張っている。

ギャラリーで亀の交尾の映像を見ようとは意外だが、この作品、今月の『美術手帖』でも紹介したイギリスと日本を繋ぐ画期的な現代美術賞、大和日英基金主催の「大和ファウンデーション・アートプライズ」の栄えある第一回受賞作品になる。

応募者800名の中から選ばれた作者のマーカス・コーツ(Marcus Coates)は、今年のテート・トリエンナーレやマニフェスタ2007など国内外で大活躍の英国の作家。トナカイやアナグマの剥製を頭にかぶって、霊媒師のごとく、動物の言葉で彼らの心境を語ったりする一味も二味も変わったパフォーマンス映像を得意とする。

《Intelligent Design》と題された今回の作品は、タイトルから推測すると進化論絡みのよう。お気の毒に失敗に終わってしまうゾウガメの大変そうな交尾トライアルを見ていると、2億5千万年間も存在する最も古い種のひとつでありながら生殖機能がちっとも進化してないんだなあ、「偉大なる知性」の宇宙設計も大したことないかもしれないなあ、という気になってくる。

このように見た目に似合わずなかなか含みの深い受賞作品だが、賞のご褒美もまた粋で、5000ポンドの賞金に加え、日本のギャラリーでの初個展の機会をプレゼントとなっている。しかも会場は、東京の小山登美夫ギャラリーと豪華。個展の時期は少し先で、11月7日から開始。

ノミネート者の作品が公開中のロンドンの大和ジャパン・ハウスでは、受賞者のコーツの作品の他に、残りの二名、ベディヴィア・ウィリアムズ(Bedwyr Williams)アダム・ダント(Adam Dant)の作品も展示されている。めがねを揚げたてんぷらなど、こちらもなかなかユニークだ。お見逃しなく。

Daiwa Foundation Art Prize Exhibition
Daiwa Anglo-Japanese Foundation
Daiwa Foundation Japan House (London)
090615-090717


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