サーチ夫妻ら億万長者からケイト・モスらセレブ、そこら辺のチビッ子までが集ったフリーズ・アート・フェア。10月17日から21日までの4日間で27,000人を動員し、アメリカのアーモリーショーやスイスのバーゼルアートフェアに並ぶ国際アートフェアの仲間入りを果たしました。

ギャラリー124団体が出展した会場は、国内外の現代美術作家千人以上もの作品が並ぶ、まさにアート天国。一般来場者にまぎれコレクター、評論家、キュレーター、アーティストら業界関係者らも次々と来場。トークやパフォーマンスなどのイベントが多数催されるなか、購入の場を越えたアート・イベントとしての充実振りを発揮していました。

「トレード・フェアというよりはアート・イベントにしたい」という主催者側の意向は、会場内に展示されたコミッション・ワークの他、美術館との連携にも反映。芸術基金「フリーズ・アート・フェア・ファンド」が新設され、展示品の中から若手の作品合計十万ボンド分がテート・コレクションに寄贈されました。

その一方で、ミリオンポンドの値がついた作品が出るなどビジネス面でも成功を収めたもよう。
共同主催者のマシュー・ストローバー氏はフェアを振り返り、「ロンドンでは現代アートへの関心が拡大し続けています。それに一役買えて感激です」と満足の様子。第二回目のフェアが来年同時期に開催されることに決定しています。

 

「アート天国?地獄の間違えじゃないの?」という声が聞こえてきそうなほど、容赦のなかったフリーズ・アート・フェア。会場にはデミアン・ハーストから村上隆まで人気どころがゴロゴロと並び、そのリッチさに私達もすっかり悪酔いしてしまいました。頭の中はまだ混乱気味ですが、デジカメに残っていた写真によるとこんなものを見たようです。ほんの欠片ですがご紹介。

 

パっと見、プレハブのように見えるこの三角屋根の建物がフェアの会場。設計は今年のヴェネツィア・ビエンナーレの英国館を担当し、今国内外で注目の建築家デイヴィッド・アジェイ

入り口を入ると、中は真っ赤なトンネルとドラマチック。ここでチケットを買ったり荷物を預けたりしたあと、遠くに見える白い光に吸い込まれるように会場へと進む。

124個のブースが並ぶ展示会場は、油断すると簡単に方向感覚を失ってしまいそう。展示品はアートフェアなので平面が中心。左はTaka Ishii Galleryのブースで展示してた荒木経惟さんの作品。

会場中央に作られた芝生の滑り台は、ヴェネツィア・ビエンナーレで特別賞を受けたパオラ・ピヴィの作品。さすがに大人にはイマイチでしたが子供にはなかなかの人気。

 

ふらっとお邪魔したホワイトキューブのブース。この日はオーナーのジョップリン氏(右)が忙しなく行き来。左奥にはデミアン・ハーストのチャリティーのミニチュアが。見えるかな?
白い板のお山を登る不思議なけものたち。ロサンゼルスを拠点に活躍するJon Pylypchuckの作品は、まるで絵本の世界を再現したかのよう。アスプレー・ジャックのブースにて。
スウェーデン出身のヘンリ ク・ハカンソンの作品。世界に6・7羽しかいない絶滅危機に瀕する鳥を動物園から借りて撮影したビデオと、その鳥の飼育環境を再現したインスタレーション。
メルリン・カーペンターの作品は大きなシリアルの箱。「このシリアルは、現代人が抱える精神的な悩みを癒すことはできませんが、生活 に必要な栄養が摂取できます」と、うたい文句が変。

 

サーチ氏夫妻を目撃!
「Art Review」誌が発表した業界実力者ランキング「Power 100」で、去年の1位から6位に格下げになったコレクターのサーチ氏。影響力の方は少し後退気味のようですが、購買意欲のほうはまだまだ元気なよう。今回もフェア前日の午前中、掃除機をかけたりと準備で大忙しの時に、ナイジェラ夫人と早々と登場。アンソニー・レイノルズ・ギャラリーのブースでお二人で何やら物色しているのを目撃!後で聞いたことによると、土屋信子さんの作品をお買い上げになったとか。お目の付け所が素晴らしい!

テートの館長もお買い物?
美術館の館長がアートフェアでお買い物という光景もかなり興味深いもの。サーチ夫妻と同じ日にお見かけしたわけですが、この日のニコラス・セロータ氏の目的は、フェアを通じてテートに寄贈されることになる作品の下見だったよう。後日耳にしたことによると、合計十万ポンド分、若手四名の作品が寄贈されたそうです。その四名には、現在テートモダンのタービンホールで展示中のオラファ・エリアソン(デンマーク)のほか、ヴェネツィア・ビエンナーレ日本代表の曽根裕さんが含まれています。

 

見ている人達が「村上隆のアシスタントだよね」と確認し合っていた青島千穂さんの 作品。そう言われれば、彼の影響がみえるような。繊細で美しい色彩が人気を集めていました。(写真は部分)
「水の代わりに、液体状のLSDが出る噴水を公共の場に置きたい!」 そんなクラウス・ウェバーの市への提案は許可されず、コミッション作品と して今回お目見えしました。(写真は部分)
パリのギャラリー、ギュレーヌ・ユスノーのブースは床一面が布団柄のような花模様。パレ・ド・トーキョーのレストランでお馴染みのマイケル・リンの作品です。(写真は部分)
こちらはテートモダンに光を恵んだ話題の作家オラファ・エリアソンの立体。金属の板を幾何学模様に編んだ作品は、鏡のように磨かれた面に周囲の色が映って綺麗。(写真は部分)

 

モデルにもなる主催者
フェアの前にちょっとした話題になっていたのが、主催者の片割れアマンダ・シャープさんが、ジョン・カリンのモデルになったという話。あれほどヌード画を描いていながらも、カリンがモデルを使ったのはこれまでにたった一度。栄えある二人目に選ばれたいきさつは?と思い尋ねてみたところ、「ジョンは私の親しい友人で、話をしているうちにそういう方向に進んでしまって。とても名誉なことだど思ってるわ」とアマンダさん。美術家、ライター、コレクターと、いつの時代も横の繋がりが盛んな業界ですね。

6千ドルのちびっ子パフォーマンス
会場の端っこにあった空っぽのブース。ここ何?と思って覗いてみると、中で10歳くらいの子供たちが一生懸命に何かを説明している様子。よく聴いてみると、どうもパフォーマンスになっているようで、お値段が6千ドルとか8千5百ユーロとか。実はこちらはニューヨーク20番地にドアだけが存在するというWrong Galleryのブースで、「何も売らないし、買わない。ただ純粋にアートを楽しむ場を提供する」というコンセプトに基づいて活動をしているとのこと。ユーモアたっぷりの奇抜なアイデアが冴えていました。

 

お多福人形のような子供たちの絵は、ドイツのヨルク・イメンドルフの作品。名門美術学校の教授なのに、ロシア人の女の子たちをよんで乱交パーティーを開いたのが見つかって、逮捕されたとか。(写真は部分)
ヨーロッパを拠点にするTatsurou Bashi(別名・西野竜郎)さんの作品は、公共の場にある銅像を 小屋で囲ってしまうユニークなもの。実物の代わりにアイデアスケッチが展示されていました。(写真は部分)
マンガの一コマのようなピーター・サウルの作品。歴史の捏造、保守的な政治、性差別といったアメリカ社会が抱えている問題が、ポップなイメージで表現されていました。(写真は部分)

一般入場者として入って作品を売り込ん でいた美術家のモンキーさん(顔を入れれなくてゴメンなさい)。彼の「世界一小さなギャラリー」は、テートや RAでも展示したそうです。

 

 

お断り書き)
写真のサイズの関係上、掲載作品の多くが部分表示となっております。作品全体を表した図版ではありませんのでその旨ご了承下さい。


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