Esther Planas, D.S. number 4 2002
Five Yearsでのインスタレーション風景。
photo: kuma, 2002©

アンダーグラウンドに片足突っ込んだ女の子の部屋ってこんな感じかも…というのが第一印象。ベタベタ貼られたポスターには、フェチな写真にアニメのキャラ。薄ぼけたスクリーンには、ドラッグな目をしたロックスターに透け透けの服で踊る女の子。床には彼氏と寝そべるのにちょうどいいクッションに、エッチサイトで手に入れたようなヤバ系の本。ピンクのライトが部屋を包み、ゴスなサウンドが陰鬱なうなりを吐き出している。

インスタレーションの主は、ロンドンを拠点に活動するスペイン人アーティストEsther Planas(エスター・プラナス)。クロス・ボーダー、トランス・メディアが騒がれる今にふさわしく、彼女はアーティストであるとともにダンサー、モデル、ミュージシャン、エディターでもある。前述の本は彼女が発行する雑誌「Dark Star」。BGMは彼女のバンド「Dirty Snow」の曲。ビデオのなかのダンサーは彼女自身。他の写真や絵にも頻繁に彼女が登場する。



Esther Planas, D.S. number 4 2002
Five Yearsでのインスタレーション風景。
photo: kuma, 2002©

最初はダンサーだったという。何人かの映画監督に見初められ女優にならないかと誘われたが、それを振り80年代中盤にスタイル雑誌V.O.のエディターに。その後アートディレクターを経て、アーティストとして活動を開始するとともにバンドを結成。こう見ていくと、その経歴全てが作品に取り込まれていることに気づく。

興味本位から女優の道を断った理由を聞いてみると、「脱ぎたくなかったから」という返事。Dark Starのなかで時々半分AVまがいの格好で登場していることを指摘してみると「監督のためじゃなくって、自分の表現のためにしている」という答え。さらに「時期が熟したこともあるかな?」と付けたし、この手のイメージの氾濫とともに自分のなかでそれに対する印象が変わってきたと語る。でも、いざ展示となると、柔軟な彼女と違って美術館の方針はかなり頑固なもの。彼女の作品が発する挑発的なムードにしかめっ面を示す美術館も少なくないという。

イメージの影に潜むタブーなムードはさておき、今回のインスタレーションは本当のところは子供の頃好きだったものを集めたものに過ぎないという。確かに落書きのような絵やポスターを見ているうちに、描かれたダーティーな行為がまるで高校生の女の子が格好つけてやっている悪ふざけのように思えてくる。週末になるとクラブの前に行列する10代の子達がここにいてもおかしくないような気がしてきた。

伊東豊子(Toyoko Ito), 2002年8月

Esther Planas
"D.S. number 4"
020614-020804
Five Years


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