デビッド・ジョンソン、「The Bath」、ラウンドハウスでの「イマジナリーライト」展から
David Johnson, The Bath, 1984-5  
Photo: © Kuma, 2001

地下鉄Chalk Farm駅からすぐのところにあるThe Round House (ラウンド・ハウス)。大きな傘をかぶった筒型のこの建物、実は19世紀半ばに機関車の格納庫として建てられたものという。今世紀に入って売却され、その後の長い間放置されていたものの、1960年代にイベント会場として復活し今に至っている。

David Johnson(デビッド・ジョンソン)の「Imaginary Light (イマジナリー・ライト)」は、このイベント会場の下にある薄暗い迷路風のスペースで催されている。どことなく宝探しっぽいこの企画、中央の円形スペースとその周りの小部屋に置かれた作品を、地図を片手に見て歩くという趣向になっている。ちょっと背筋の寒くなるようなこの体験、クリーンな白い壁が定番のギャラリーではまず味わえないもの。もちろん、閉所恐怖症の方にもあまりお勧めできませんが・・・

Johnsonの作品はこの地下室に一風変わったやり方で光を灯している。タイトル作品「Imaginary Light」の部屋に入ると、壁際に机が置かれその上に蝋燭が一本立っている。火は消えているのに、なぜか周りは明るい。蝋燭を少し動かしてみるが、もとの場所に見えたまま、机の上の蝋燭は二本になっている。このトリック、実は天井に取り付けられた映写機からの映像によるもので、蝋燭を収めた映像が実物にぴったり重なるかたちで投影されていたのだ。映像をライトとして用いる彼のこの方法、窓から差し込む光を表した「Facing the Dark」(2000)を始め今回発表された作品の多くに使われている。


デビッド・ジョンソン、「Secret Sea No.1」
David Johnson, Secret Sea No.1, 1984/86 (87)  
Photo: © Kuma, 2001

もう一つこのショーで度々出てくるものに、中に水を張った木のボートがある。このあべこべな姿、水から上げられ輸送機としての機能を失ってしまったことを意味しているのだろうか。どうであれ、結果はとてもロマンチックなものとなっている。映像の助けを得た「Ocean」では、ボートは満天の星空を映す湖となり、灯の燈ったヨットが浮かぶ「The Sea of Unknowing」では、静けさをたたえる深海への入り口といった仕上がりになっている。

作品と空間が一体となっている今回のショー、Johnsonがカタログで語った次の言葉がピッタリくる。「The self and the world cannot be separated: they are a single experience (自分と周りの世界を切り離すことはできない。一つの体験なのだから。)」

© 伊東豊子(Toyoko Ito), 2001年3月

 

David Johnson , "Imaginary Light"
010226-010325

地下鉄:Chalk Farm (Northern Line)


The Round House
Chalk Farm Road
London NW1 8BG

月-日1100-1800
入場料1.0GBP



Top

Exhibitions

Home

 


fogless.net
e-mail: editor@fogless.net
This site has been designed by Toko © 2000/2001
All Rights Reserved