どことなく懐かしい雰囲気が漂うSonia Bruceの「bbb」。昔ひな祭りになると折ったあられを入れるための箱が床一面に並べられ、天井から吊るされた赤い糸がそれぞれの箱に向かって一本ずつ伸びている。身近な素材と演出方法になんとなく親しみを感じるものの、一体何を表現しているのだろうと考えずにはいられない。

彼女の作品には謎めいた、どことなくシニカルとも受け取れる雰囲気が漂う。 Wolverhampton大学在学中に発表した作品「valentines」(1998)では、真っ赤な床に白いラベルを結わいつけた大量の釘が打ち込まれ、タイトルがもつロマンチックさとは程遠いイメージが伝わってくるシェークスピアの詩を一行ずつ札に書き写しアルファベット順に天井に並べた「Romeo & Juliet」(1998)においても、七夕祭りを思わせる可憐な演出とは対照的に、解体とも受取れるその行為には苦いものが感じられる。

この流れのなかで「bbb」を考えてみると、暗号めいたタイトルの背後に恋愛の要素が潜んでいるような気がしてくる。赤い糸が「赤い糸の伝説」― 運命の人とは赤い糸でずっと結ばれているというやや少女趣味な伝説 ― を表現しているように見えなくないし、弱くて軽い紙と糸という素材が些細なことで崩れてしまう男女関係の脆さを表しているようにも感じられる。

© 伊東豊子(Toyoko Ito), 2001年3月

 

Sonia Bruce, "bbb"
010302-010325

Void
511 Hackney Road
London E2 9ED
020 7729 9976
www.voidgallery.com

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