V&Aでの「Give & Take」展の展示風景、彫刻の部屋
手前 Marc Quinn, Selma Mustajbasic, 2000

Antonio Canova, The Three Graces, 1814-17
Photo: © Kuma, 2001

Serpentine Gallery (サーペンタイン・ ギャラリー)にV&A(ビクトリア・アンド・アルバート・ミュージアム)の作品が入り、V&AにSerpentine好みの作品が飾られている。 Serpentineのチーフ・キュレータLisa Corrin(リサ・コリン)による企画とドイツ人アーティストHans Haacke(ハンス・ハーク)による「Mixed Media」を通し、「Give & Take」はキュレーションそのものをテーマとする一風変わった合同展となっている。

"Give & Take"
010130-010401

Serpentine Gallery
Kensington Gardens
London, W2 3XA
020 7402 4103
http://www.serpentinegallery.org


地下鉄:Knightsbridge(Picadilly Line), South Kensington (Central, District, Picadilly Line)
月-金1000-1800、土1000-1700
入場無料


Victoria and Albert Museum
Cromwell Road
London SW7 2RL
http://www.vam.ac.uk

地下鉄:South Kensington (Central, District, Picadilly Line)
水1000-1000
月―火 木―日1000-1745
入場料 5.0GBP

マーク・クイン,"Stuart Penn",V&AでのGive&Take展にて

同じく、V&Aの展示風景、彫刻の部屋
中央の大理石像: Marc Quinn, Stuart Penn, 2000

Photo: © Kuma, 2001

Serpentine Gallery

アーティストHans Haacke(ハンス・ハーク)が選んだV&Aのコレクション200点余りが並ぶSerpentine側の展示、13世紀のキリストの磔像から三宅一世のハンドバッグまで多岐にわたる美術品と工芸品が集まり、いかにもミニV&Aという様相を見せている。

この展示、実は「Mixed Media」と題された一つのインスタレーション作品となっている。来館者たちは展示されている絵画や彫刻などを見ているようでいて、実は同時にHaackeの作品 ― 彼が選んだ作品とその展示 ― を見ていることになる。

キュレータの領域である展示をアートにしてしまった「Mixed Media」、展覧会の仕組みを追求することがテーマの一つとなっているようだ。展覧会にはその性質上作品の選択と操作が常につきまとう。企画上の都合による場合もあれば、作品の保存状態、所有者の意志などその理由も様々だ。独自の目的のために作品を集めた「Mixed Media」を通して、Haackeはこの選択と操作を観る人たちに伝えようとしているようにみえる。それと同時に、アーティスト・キュレータの出現によりキュレータとアーティストの役割の違いが曖昧になっていく今日のトレンドを示しているようにも受取れなくない。


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V&A

現代アートの作家15人の作品を常設展の中に紛れ込ませたLisa Corrin(リサ・コリン)の展示は、新旧の意外な組合せによってV&Aの重苦しい雰囲気に新鮮さを吹き込んでいる。

今回特に効果的に仕上がっているのが、正面玄関を入りホールのすぐ右手にある彫刻の部屋だ。古代ギリシャから19世紀までの西洋の美的価値観が詰まっているこの部屋。壁に沿って大理石の胸像やレリーフなどが並び、中ほどには腕や首が欠けてしまった人物像らに混じって、Antonio Canova (アントニオ・カノバ)の優雅に戯れる3女神の像(1814-7)が置かれている。

この伝統美と絶妙なコントラストをなしているのが、今回仲間入りしたMarc Quinn(マーク・クイン)の手足の無いヌード像だ。滑らかな純白の大理石でできたヌード像は一見ギリシャ彫刻風だが、その美化されていない生身の姿はどうも周りの理想美になじまない。更に、彼の作品が手足のない身体障害者の描写であることが、私達の意識のなかでQuinnの作品を別のものへと位置付けてしまう。

新旧を並列するV&Aの展示は、片方だけを見ていても気づきにくいもの、例えば時間軸の中でのアーティストの関心事や表現方法の変化といった点に気づかせてくれる。Haackeの「Mixed Media」がキュレーションの分析であるならば、Corrinの展示はそれを実行に移したものといえるだろう。

 


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